『邦楽ルネサンス〜神の子 勧進帳』鑑賞 | 三宅エミのライターズノート

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バレエスタジオの男子生徒さんが出演し、バレエの先生が演出・振付助手をつとめるコンテンポラリーダンスの舞台を、一番前のお席で鑑賞しました。
 
公演の前半は邦楽と日本舞踊。
 
日本舞踊は身体のしなやかさで表現するものと思っていましたが、さらに表情が豊かで、日本舞踊もお芝居に近いことを感じました。
 
後半が、森山開次さんによる振付、演出、舞いのコンテンポラリーダンスです。
 
前回の『YUMEJI』は妖艶な少女の世界でした。
 
(その時、出演したバレエの女子生徒さんは、ポアントレッスンでご一緒したことがあり、今はドイツに留学中です)
 
今回は少年たちの世界『神の子勧進帳』でした。
 
武蔵坊弁慶役が森山開次さん、冨樫が男子生徒さん、義経役は4名の少年たち。
 
お衣裳のせいもあるのか、なんだか義経たちが小人の妖精に見えました。
 
歌舞伎の演目で有名な『勧進帳』ですもの、花道の横、前列かぶりつきのお席で、じっくり拝見しましたよ。
 
アイメイクもにらみもポーズもお衣裳も、海老蔵さんの『勧進帳』を彷彿とさせられました。
 
本道に沿いながら大胆に飛躍させる、観客へのおとしどころがあって安心感がある、さりげなく痒いところに手が届く演出。
 
だけどロン毛に刈り上げの金髪に和装姿ですよ。
 
ふり乱す長髪が歌舞伎『鏡獅子』のたてがみのように見えちゃうから不思議です。
 
メイク、目つき、表情、汗、あばら骨、息づかい、シューズのキュッとする音、お衣裳の素材まで、くっきりはっきりわかりました。
 
噂の衣裳デザイナーさんが今回担当されており、踊りを考慮した工夫も観察できました。
 
音楽はオリジナルで三味線と笛と鳴物にヴィオラとチェロが加わった和洋折衷の演奏は、古典をコンテンポラリー化するのにふさわしかったです。
 
踊りに合わせてアフレコも添えられ、筋がわかりやすくなり、ストーリーのある演目の強みを感じました。
 
いつまでも拍手が鳴りやまず、カーテンコールを求める拍手にも感動しました。
 
素晴らしい!
 
邦楽を現代的に伝える工夫がいっぱい!
 
次回がまた楽しみです。
 
 
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