『子どもの発達障害』
本田秀夫
SBクリエイティブ 2021年10月15日
「宿題が適切な量や難易度で出ていれば、子どもは30分もかからずにパパッとすませます。宿題に時間がかかり、鉛筆を持つことさえ嫌になるということは、宿題の設定が間違っています。」
「私はそもそも児童や生徒全員に宿題を出すことは意味がないと思っています。」
-p. 42
「発達障害の子は、多数派に合わせて『ふつうのふり』をしようとすると、いろいろと苦労することがあります。」
-p. 63
「発達障害のもともとの原因は育て方ではありませんが、発達障害の子の生活は、育て方によって大きく変わっていきます。子どもがどんな大人になるかは、育て方次第なのです。」
-p. 72
「よい(親子)関係のなかでは、ぼそっとつぶやくくらいの言葉もほめ言葉になります。」
-p. 90
「子どもがなにかをうまくできないとき、親や先生はよく『集中して実力を発揮すれば、間違えないでできる』などと言いますが、子どもは実力に合った課題なら、そんなに間違えたりしません。難易度が高いから、必死でやってもミスが出るのです。」
-p. 124
「発達障害の子の場合、さまざまな特性があるので、平均的な子どもとは『発達の最近接領域』が異なります。それを意識しないで『常識的』『一般的』な子育てをしていると、子どもに無理をさせてしまうことがあります。」
-p. 126
「親がほめ方・叱り方を調整したところで、子どもをがらりと変えることなどできません。子どもは、自分が変わりたいと思ったときに変わります。」
-p. 132
「子育ての根底には、『親が欲をかいてはいけない』ということがあります。特に発達障害の子の場合、親に下心があればあるほど、子どもの特性やその子自身のやりたいことを見なくなってしまって、ものごとが悪い方向に進むことが多くなります。なかなか簡単なことではありませんが、高望みは捨てましょう。」
-pp. 133-134
「ほめ方・叱り方は、方法論というよりは、親としての姿勢によってできあがっていくものです。一生懸命練習しなくても、考え方が変われば、少しずつ変わっていきます。ほめ方・叱り方で悩んでいる人は、高望みを捨てることに取り組んでみてください。」
-p. 140
「家族の中には独自の教育論をもっている人がいて、発達障害ほ特性などを説明しても、その人だけはまったく考え方を変えてくれないということもあると思います。」
-p. 147
「なにを言っても変わりそうにない場合には、その人はそういう人だと思って、やりすごすしかありません。その時に大事なのは、その人に合わせないことです。」
-p. 148
「発達障害の子には、さまざまな特性があります。そのため、一般的なやり方ではうまくできないことがあります。」
「発達障害の子に、親や先生が『みんなと同じようにやりなさい』と言い聞かせていたら、その子は苦手なことを苦手なやり方で無理にやることになるかもしれません。」
-p. 152
「私は発達障害の子には、そういう画一的なしつけや教育から『逃げ回ること』をおすすめしています。」
-pp. 152-153
「勉強は何歳になってもできます。大人になって仕事についてから、業務に興味をもち、自主的に勉強して大成する人もいます。本人に学びたいと思うことがあれば、学習する習慣を身につけることは、いつでもできるのです。勉強は身のまわりのことをあとまわしにしてまで、教えるようなことではありません。」
-p. 160
「偏食を放っておかないで、親や先生があれこれ手を焼いて状況がよくなることは、ほとんどあり得ません。
世の中には『出されたものはすべて食べる』というような決まりをつくって子どもを指導し、偏食を改善させたと胸を張る人がいますが、それは無理やり食べさせているだけです。そういう指導を受けた子は大きくなっても『出されたものはなんでも食べなければ』と考えるので、太りやすくなります。」
-p. 172
「子どもの頃に家事を経験した子は『いざとなれば家事ができる』という、ちょっとした自信を身につけます。」
「家事を『やらない』『できない』まま大人になった場合には、ベースがないので、あとで苦労する可能性が高くなります。小さいうちに簡単な家事を経験したかどうかが、じつは将来に響いてくるのです。」
-p. 176
「子どもは日中にやりたいことができていれば、夜にはちゃんと寝ます。」
「そうならないということは、日中の活動がうまらなくて、ストレスがたまむていて、動画やゲームで憂さ晴らしをしないとやっていられないのでしょう。その場合、夜ふかしをしているのが問題なのではなくて『明日もつまらない』と思っていることが問題です。『学校生活に問題が起きていないかどうか』『子どもが日中楽しめそうな活動はないか』といったことを検討して、日中のすごし方を変えていく必要があります。」
-p. 196
「発達障害の子に『友達の仲良く』と言ってはいけません。発達障害の子に友達と仲良くすることを求めるのは『なによりもまず多数派に合わせることが大事』と伝えるようなものです。それでは発達障害の子は、自分のやりたいことができなくなってしまう可能性があります。」
-p. 202
「能力競争をあおられる環境にいると、余裕がなくなって、つねに上下関係を意識するようになっていくことがあるのです。」
-p. 206
「子どもは、日中に叱られることが減って、楽しい活動が増えていけば、夜に長時間ストレス解消をしなくてもよくなります。夜をほどほどに楽しみながら、翌日の楽しい時間のために眠れるようになっていきます。そういう形でサポートしていきましょう。」
-p. 216
「子どもが苦しんでいても、ほとんど学習になっていなくても、勉強ら宿題をやらせようとするのは、基本的には『親の都合』です。」
-p. 219
「発達障害の子どもとそのまわりの子に適切な対応を行っていれば、いじめは起こりにくくなります。」
「無用なトラブル。防ぐサポートと、どんなトラブルもいじめる理由にはならないということの学習を、発達障害に限らず、あらゆることに対して行なっていきましょう。」
-p. 240
「発達障害の特性だけならば、比較的順調にすごしている当事者が多いのです。成長するにつれ二次災害を伴って苦しんでいるのは、無理を重ねて適切な環境で育てられなかった人たちに多いことを覚えておいてください。」
-p. 252
「発達障害の特性に気づいたとき、とにかくすぐに療育を始めればよいというわけではありません。子どもに合わない療育では、かえってストレスが増えることもあります。あせって療育を進めるよりも、まずは子どもの特性を理解することが重要です。子どものことを理解できれば、その子に合った育て方も見えてきます。」
-p. 260
グレーとは白ではなくて薄い黒
宿題は百がいあって一理なし
