『影と踊る日』

 加護かずみ

 講談社 2022127


「罪は、償うべきだった」

「──地獄は、どこにだってある」


新潟県警生活安全部の警察官である主人公は、地元局のテレビ番組で、詐欺被害対策啓蒙コーナーを担当している。職務で知り合った男性が、ある日突然姿を消して──。



『歳をとってみてわかった。人間は最後まで、さまざまな欲や情に振り回される。残された時間が少ない分、若い頃より我慢も利かないのかもしれない』

-p. 50


詐欺被害者は、身内の冷たい目や厳しい声を浴びる。被害の事実が外に知れれば、騙されるほうが悪い、脇が甘いといった心ない言葉を、第三者からさらに投げつけられる。弱り切った心の隙をついて、さらに詐欺行為を仕掛けようとする輩までいる。

-p. 225-226



『わたしはあなたの痛みは知らない。でもあなただって、わたしの痛みはしらない』

-p. 255


『人間、百すべてが悪い奴ってのは、まずいない。』

-p. 294


 


確か以前#NetGalleyJP さんで見かけたが、はじめましての作家さんの作品だということもあり、読む勇気が出なくて見送ってしまった作品、やはり気になって借りてきた。


過去からの影に取り憑かれるように、そしてその影を振り払うように生きる主人公、事件がどこへ向かうのかに加えて、彼女が何に苦しんでいるのか、これからどうなってしまうのかが気になり、どんどん、どんどん読めてしまう。


怪しい人が(怪しくない人も)ゾロゾロ出てくるというわけではないのだけれど、はじめましての作家さんの作品ということもあってか、どのあたりを重点的に警戒すればよいのか絞れず、どの要素をどの要素と繋げたらよいのか整理整頓できなくて、ろくに推理もできないまま読み終わってしまった。


「この人怪しい!」

と思った人はホンマに怪しかったけど、これでは師匠(シャーロック・ホームズ氏)に顔向けできない