『新山女日記 残照の頂』湊かなえ 

幻冬社 20211110日)



ずっと心を占めている後悔、胸の奥底に仕舞い込んだ思い残し、生きていれば皆、色々あると思う。


そんなアレコレを背負って山に登る人々を描く4つの物語。



『何を根拠に、私は先があると思っていたんだろう。』


『一度でもいいから、実現することを前提に考えてみればよかった。』

-p. 40


「しんどい時に、いちばんしんどいのは、それを口にできないことではないか。」

-p. 221



「今のささやかな幸せを認めることで、過去が不幸なものだったことになるなんて、バカげた考え方じゃないか。」


「もう一度登ってみたら、と背を押してくれる山は、ずっと近くにあった山。」

-p. 272


悔いのない人生なんてない。考えが足りなくて失敗したこと、勇気が出なくて挑戦できなかったことちょっと思い出すだけでもたくさんある。


だけど、どれもこれも意味のない経験ではなかったと思ったりもする。


過去があって現在がある。現在があって未来がある、そんな当たり前のことがようやく実感できるようになった。


何者かになろう、とか、何かを残したいとかではなく、今を悔いなく過ごしていたいな。


Life can be full of tears and regrets.   We, however only live once.  So I’d like to enjoy each day as it comes.