『ドキュメント 』湊かなえ

 株式会社KADOKAWA 20213月)



イヤミスの女王による学園モノ、部活モノ、

 『ブロードキャスト』 の続編、陸上部に入ることを諦めて、放送部員となった主人公が、陸上部への取材を通して、自分の内面と向き合う姿に、胸の奥深くをぎゅっと掴まれるような、切ない気持ちになる。


自分の中のモヤモヤと向き合うって、簡単なことじゃない。かといって知らないふりをしていれば、勝手に消えてくれるというものでもないから困るよね。


『好きなものは好きなものとして、仕事とは距離を置いておきたい』」-p. 53


『人生には3本の脚が必要(中略)。脚が3本あれば、1つが折れても他の2本が支えてくれる。そのあいだに折れた脚を修復すればいいし、新しい脚を用意するのもいい』

-pp. 53-54


登場人物それぞれが将来についてや人生について色々考えていて、名言も飛び出し、納得してしまった。


『わたしたちの知らない病気はたくさんあります。悪気はなくても、知らないということにより、病気で苦しむ人を傷付けてしまうかもしれない。すべてを知ることは難しいけれど、心のアンテナを少しそちらに向けるきっかけを作ることができないか』

-p. 92


『不認知を認知にかえたいのに、不認知を誤解に導くおそれがある』

-p. 93


『経験者にしか理解できないと突き放すのは怠慢だ。どんな内容でも、たいていのことにおいては、伝える相手は、その経験をしていない人たちだ。それを前提に、伝え方を考えろ。伝わらないのは、己の未熟さのせいだ。』

-p. 269 


「経験者にしか理解できない」と突き放すことって、受け取る側にも見られることがある。どちらも怠慢で傲慢な態度かも知れない。


「伝える」ことや「伝わる」ということについて、深く考えているのも、放送部員らしくて







よく使う移動手段は?


徒歩&車です。



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