- 女のいない男たち/文藝春秋
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村上春樹を久しぶりに読んだ。
なんだろうか。
独特なその表現に、にやっとしてしまう。細胞が喜んでいる。
そうだ。僕は村上春樹の作品が好きだった。
村上春樹作品について、以前友人と話したことがある。
主人公がモテることや、「やれやれ」。
そして、「女性がいなくなること」。喪失感。
この小説も、タイトルからわかるように、女性がいなくなる。
どの話においても、
「女性の不在」が、輪郭がわかるほどはっきりと、表現されている。
村上春樹好きの僕は、それだけでも少し楽しくなる。
短編集なので、人によっては物足りなさを感じるかもしれない。
初めて村上春樹を読む人に、まずこれは勧めない。
でも短編ならではの、楽しさもある。
読み終えたあとに、ほっとため息をついて、
少し遠くを眺めながら物語りの読後感を味わう、そんな楽しさ。
また、読み手に想起させる試みのようなものがあった。
「女性の不在」に関して、もし自分がそうなったらと、
イメージを抱かせる提示がなされている。
また女性がいなくなった(笑)、
といった感情を改めて、
自分の立場に置き換えてみる。
するとそこには、
半身をもぎ取られたような、
絶望があった。
深い井戸のような絶望。
村上春樹の作品をまた読みたくなった。
あの頃とは違う、別の視点で読み解くことができるかもしれない。