天才がどんどん生まれる
- 天才がどんどん生まれてくる組織/齋藤 孝
天才について考察した本はたくさんあるが、その多くは、一人の天才に関する記述である。しかし本書は、「突出した才能を持つ個人の癖に惑わされずに、その才能を支えている基本技を見抜く。(中略)一人の「天才」が生み出されている母体が必ずある」という。今問われていることは、個性重視か組織優先かといった二項対立ではなく、「集団の個性」とでも言うべき眼差しについてである、と。
そのような問いの中で、天才が生まれる社会的装置を次々に抽出していく。大きくはルネッサンスや明治維新、身近なところでは少年ジャンプやスター誕生、あるいはプロ棋士を育むために全国に広がる「奨励会」という町の組織、手塚治が住み石森章太郎や藤子不二雄を輩出したトキワ壮など。そして大切なことは、その装置を生み出した、やはり個人のことである。松下村塾の吉田松陰、トキワ壮の手塚治、小澤征爾ら世界的音楽家を育てた斉藤秀雄など、次々に天才を生み出す社会的装置そのものを創り上げる個人の姿が必ずある。ホンダにとっての本田宗一郎、ソニーにとっての井深大など、それは企業経営においても全く同様である。
では、天才を生む装置を創る者たちは、どのようにして育まれるのだろうか。一つの考察として、同じ著者による『孤独のチカラ』がある。その帯には「ひとりぼっちの底から、力をつかめ!」と書かれている。 - ¥1,155
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宇宙が味方する!
- 宇宙が味方する経営/伊藤 忠彦
書名からは想像し難いが、本書は大阪の第二地銀、関西アーバン銀行の現役頭取による。7年前、三井住友銀行の常務であった伊藤氏は、破綻寸前の当時の関西銀行頭取に就任する。その後の再生は凄まじく、現在の業務純益は250億円、不良債権比率は15%から1%台にまで下がり、2005年には東証1部上場も果たすなど、超優良行へと劇的な変化を遂げている。そのような「奇跡」はなぜ起きたのか?
「私たちの本質は『肉体』ではない。私たちの本質は『霊体』である」「人間性が優れているからこそ、その波動と同調する守護霊がついて、幸運を運んでくる」「宇宙の進化」「進化の波動」など、一見荒唐無稽とも思われるような記述が随所にある。著者自身、「頭がおかしくなった」と思われることを恐れ、これまで人前でこのような考えを表明せずにきたという。しかしそこには、多くの成功哲学にも通底する経営の真髄があり、20歳でキリスト教の洗礼を受けたという筆者のそれは、さらに人生の意味、目的そのものにまで到達しており、付け焼刃ではない多くの示唆に溢れている。
頭取に着任後、従業員500人との面談、取引先700社の社長との面談を、時間をかけて実施したという。その時に掲げた経営方針は、1.社会価値の追求、2.業務改革の断行、3.人間尊重の経営、だという。タイトルに惑わされず、多くの経営者に読んで頂きたい書である。 - ¥1,680
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哀しい用心棒の甘い恋
- 「甘い人生」 ~イ・ビョンホンの代表作になるまで~
イ・ビョンホン主演のヤクザ映画。シブイ、渋すぎます。ささいなことから(組長がかこっている若い女(学生)の監視を言い渡された主人公が、その女に淡い恋心を覚えてしまい、それを組長に感づかれる、という極めてささいなこと。しかし、ありがちで、妙にリアル)半殺しの目に遭い、組を追われたイ・ビョンホン。組織に、親に、長い間犬のように忠実に尽くしてきたのに何故なんだ!と主人公の怒りは爆発する。企業社会にもどこか通じる悲哀と憤りである。最後は単身で乗り込み、組長のみならず組ごとつぶして、壮絶に自分も散ってしまう。タイトルの「甘い」は、考えが甘い(足りない)ということと、文字通りの甘い恋心との両方を指すのだろう。
格闘シーンの美しさは、やはり最近の韓国映画の『美しき野獣』にも同じような印象をもったが、何故なんだろう、今の日本映画では、とても表現できない。単純で、かっこよく、少し哀しい物語。ひそかに、4~5回は観ました。 - ¥1,500
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