人類と地球を救う計画は「4人」の頭の中にーーー!?
◇三体 Ⅱ 黒暗森林・上◇ -The Dark Forest-
劉慈欣 大森望、立原透耶、上原かおり、泊功 訳
天体物理学者・葉文潔が宇宙に向けて発信したメッセージは、異星文明・三体世界に到達する。新天地を求める三体文明は侵略艦隊を地球に送り出した。太陽系到達は四百数十年後。しかも人類のあらゆる活動は、三体文明が送り込んだ極微スーパーコンピュータ・智子に監視されていた! 危機に直面した人類初前代未聞の「面壁計画」を発動させる。人類の命運は四人の面壁者に託された! 世界的エンタメ、驚天動地の第二部。
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人類に絶望し、異星文明の介入を求めた葉文潔のメッセージに三体世界は答えてしまった。過酷な環境下に有る三体人は理想的な新天地、地球を侵略すべく、艦隊を送り込んだ。到達まであと400年!! 世界中がパニックになる。今、生きている人間は三体人を見ることはない。だが未来の子孫が危ない!!
人類に三体世界を知らしめることができる、侵略艦隊を送り込める、スーパーコンピュータ・智子で人類を監視できる三体世界にも実は弱点がある。彼らにとって思うことと話すことは同じである。外界で表示できるために嘘や隠し事、騙すことが出来ない、というか理解出来ないのだ。そして目に見えないものも理解出来ない。
……つまり人間の頭の中は覗き込めない! 国連と惑星防衛理事会は「面壁者」と呼ばれる選ばれた4人を召集した。国防長官、元大統領、科学者……最後の1人は元天文学者で社会学教授の羅輯。「何で自分が??」と戸惑い、しまいには隠遁生活に入って夢に描いた恋人との生活に没入するが彼女と娘がいなくなった時、かつて葉文潔と交わした「宇宙社会学」を思い出す……
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「三体 Ⅱ 黒暗森林・上」です(・∀・)
いざ、地球VS三体世界、開戦。市井の民から軍、国連まで巻き込んで地球規模の戦争の火蓋が切って落とされました。「三体」がプロローグに過ぎない、という帯文句は正しかった。
しかし元凶、葉文潔や主人公級だった汪淼は登場せず、今作では羅輯という社会学教授で半分夢見がちな普通の男が主人公です。「映画版ジャイアン」と私が名付けた史強も再登場。こういうタイプは最後まで出ると相場が決まっている。でもマジで彼女どうやって見つけたんだ。整形させたのか??←
異星文明との戦争。古今東西のSF作家が夢見ては傑作も駄作も含めて沢山書かれましたがスペースオペラものでこんなに面白いと思ったの久しぶり。そしてこんなに一致団結しないスーパーマン集団って多分初めて。ここで「世界一丸となって!」とならんのが21世紀のSFっぽい。超個人主義。しかしその個人主義を利用して1人1人に破壁者という敵を与えることで1つずつ確実に倒そうと試みる三体人も流石です。ほんと、彼らって本当はどんな姿してるんでしょうね。
隠遁生活を捨てた羅輯の「呪文」の効果、冬眠に入った人類が目の当たりにする未来、航宙艦を動かす軍人たちの運命……それらは全て下巻に託されています。どんなに道に迷っても良い、諦めないで!
そんなわけで、いざ下巻へ(*^o^*)/