ケン・フォレット No.1◇巨人たちの落日・上◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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宣戦布告ーーー国も身分も問わずに誰も彼もが歴史の渦に呑み込まれる!






◇巨人たちの落日・上◇ -The Century Trilogy #1 Fall of Giants-

ケン・フォレット 戸田裕之 訳



物語はウェールズの炭鉱の町から始まる──。炭鉱労働者の家に育ったメイドのエセルと弟のビリー。ロシアの皇女を妻に迎え、英国貴族として生きる若き伯爵フィッツ、貴族に生まれながら女性運動に身を投じるフィッツの妹モード、敵国の女性を愛してしまったドイツ大使館員のワルター、アメリカ大統領の側近として海を越えて奔走するガス、そして革命前夜のロシアで最底辺の暮らしにあえぐグリゴーリイとレフの兄弟──。国も身分も異なる5つの家族の運命が絡み合い、壮大なドラマが紡がれていく。



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1911年。英国の炭鉱町アバローウェンに住む少年ビリーは敬虔な父親と同じく炭鉱で働くことになった。新入りの通過儀礼で真っ暗の中で一仕事することになったが果敢に乗り越えたビリーは“主がついているビリー(ビリー・ウィズ・ジーザス)”と呼ばれるようになった。



1914年の英国。アバローウェンの炭鉱を所有するのはフィッツハーバート伯爵家。当主はフィッツと呼ばれる28歳の若き伯爵。妻のプリンセス・ビーとは1度目の妊娠と流産以来、上手くいっていない。そんな時、炭鉱で大事故が起こり、家政婦長になったエセルと急接近する。



1914年のロシア。〈プチロフ機械製作所〉で働くグレゴーリイとレフの兄弟は両親を死に追いやったロマノフ王朝、とりわけエリザヴェータ皇女ーーー英国ではプリンセス・ビーと呼ばれているーーーへの恨みを募らせて自由な国アメリカへ渡ることを夢見るがついに渡る当日に思いもよらない事件が起こる。



再び英国。ドイツ大使館員のワルターは各国の情勢を気にかけながら友人フィッツの妹モードへの恋心を募らせるが父親オットーの理解は得られず、6月のサラエボ事件が拍車をかける。オーストリアはセルビアを攻撃し、ロシアは軍を動かし、ドイツは国際会議の出席を拒否し、フランスは中立の立場を捨て、欧米諸国に緊張が走る。ワルターはモードとの恋の為にも英国とドイツが戦争するのを望まないが様々な国の「戦争をしたがる人間たち」に「戦争を避けたい人間たち」は屈していく。とうとうドイツはベルギーに侵攻し、英国の参戦が決定した! その最中、ワルターとモードは結ばれて……



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「巨人たちの落日・上」です(・∀・)



ずっと読みたい、と思っていた本をやっと読むことが出来ました。あらすじを読んで心惹かれいつか絶対に読もう、読もうと思いつつ買うタイミングを逃したらいつのまにか絶版になってしまい……神保町通いを始めて9年間ずっと探していたのですがなかなか無かったのですが先日遂に見つけました! 神様、ありがとうございます!!



本書は第一次世界大戦を主軸にそれに巻き込まれる、身を投じる人たちを描いた歴史大河小説です。国も身分も様々で行動や思想も様々です。語りの多さ少なさはありますが本書は上中下の3巻なのである意味全員主人公と言ってもいい。彼らの未来がどうなるのか、誰1人として眼を離せない。



上巻の主役は伯爵と身分違いの恋愛に落ちてしまったエセルと今や敵国同士になってしまったドイツのワルターと英国のモードの恋です。「ダウントン・アビー」のヘビー版ですね← シビル以上に型破りand危険な恋愛を果たしたモードはこの危険な結婚を隠し通せるのか……は無理に決まっているのでどうか後悔だけはしないで欲しい。



しかし題名に「落日」とあるので大戦前の生活に戻ることは不可能であることを示しています。わたしたちは大戦後の欧米がどうなるのか知っていますが主人公たちは何も知りません。



英国が参戦し、欧米はいやでも戦争へ。いざ、中巻へ(*^o^*)/!