クロード・アネ◇うたかたの恋◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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あまりにも清らかな純愛を、帝国は許さなかった……結ばれる方法は1つだけしか無かった……






◇うたかたの恋◇ -Mayerling-

クロード・アネ 岡田真吉 訳



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雪組公演

昭和58年(1983年)5月13日〜6月21日

ミュージカル・ロマン

『うたかたの恋』15場

クロード・アネ 原作

柴田侑宏 脚本・演出

*併演作品は『グラン・エレガンス』



クロード・アネの原作で、四回に亙って映画化されヒットした悲恋物語。政略結婚で愛情のない冷えた結婚生活を送っていたオーストリア皇太子ルドルフ(麻実れい)は、清らかな男爵令嬢マリー(遥くらら)を知り互いに強く惹かれ合うが、その恋は許されるものでは無かった。また進歩的な自由主義思想を持つルドルフは、そのことを理由に後継者の地位を失脚させられようとして……。麻実・遥のゴールデンコンビの代表作であり、その後何度も再演される宝塚らしいロマン豊かな名作。



星組公演

平成5年(1993年)6月25日〜8月2日

ミュージカル・ロマン

『うたかたの恋』16場

クロード・アネ 原作

柴田侑宏 脚本・演出

*併演作品は『パパラギ』



19世紀、オーストリーで実際に起こった、皇太子ルドルフ(麻路さき)と男爵令嬢マリー(白城あやか)

の悲恋物語を描いたクロード・アネの原作「マイヤーリンク」の舞台化。昭和58年、雪組の麻実れい・遥くららのゴールデンコンビによって上演された作品で、再演希望の高かった名作が時と人を得てようやく再演。しかし、トップスターの紫苑ゆうが怪我のため残念ながら宝塚大劇場を休演。麻路さきが代役を務めたが、11月東京公演には復帰して念願のルドルフ役を熱演した。



他、多数上演。



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色々やらかしながらも100年以上、愛と夢と豪華絢爛を舞台上で繰り広げてきた宝塚歌劇団。特に数々の恋愛作品を上演してきました。純愛あり、ほのぼの有り、キュンキュン有り、……そして悲恋も。



昔から愛されて、今も愛される悲恋ものといえば今回の「うたかたの恋」を思い出すヅカファンも多いのでは無いでしょうか。特に去年は上演40周年を迎え、30年ぶりに大劇場公演を行いました。いまやハプスブルク帝国といえば母のエリザベート皇后ですが、1996年初演の「エリザベート」ではマリー・ヴェッツェラのマの文字も出なくてびっくらこいたファンが居たかも知れません← 



どうして今もなおこんなに人気なのか……理由は何となく分かります。分かりやすいからです。愛の無い夫婦生活と伝統と政治の雁字搦め生活に疲れ切った皇太子が清らかな心で自分に憧れる少女と出逢い、恋に落ちる。しかし妻子ある皇太子との恋愛なんて許されない。果たして2人の行先は……これほど結末が分かる王道ストーリーも無いですよね。



自殺が許されないキリスト教国が多い欧米で数少ない自殺事件、それも心中事件である「マイヤーリンク事件」。皇室最大の醜聞ゆえに隠蔽と謎が多く、暗殺だとか堕胎手術の失敗だったとか、そもそも本当はルドルフは別の相手と死にたかった説も有るぐらいですがーーーだとしたらマリー、死に損過ぎるorzーーー本当のところは分かりません。しかし時間が経てば判明することもあり、ルドルフ(作中ではロドルフ)とマリーは一緒に死ぬ心構えであったことは間違い無く、ゆえに数多くの映画とドラマが生まれました。



マリーの純真無垢が切ない。ただの遠くから見られればそれだけで良かった、憧れで済んだらどれほど良かっただろう……あんなに清らかなら他の紳士相手でも幸せになれたかも知れないのにルドルフに会ってしまったばっかりに運命は……ほんとになぁ……「ベルバラ」じゃ無いけどどうして神はその人に相応しい運命を与えてくれなかったのでしょう……いっそ貴族で無い方がどんなに良かったか……しかも最期の願いも叶えられず……



宝塚はフィナーレ場面で必ずトップ同士がデュエットすると相場が決まっていますが、それはまるで遂に望みが叶えられて祝福される恋人たちの姿のようで涙出ます。本当のところはどうあれ、2人の魂が天国で安らぎを得ていることを祈りたい……



「うたかたの恋」でした(・∀・)/ 

わたしは日記をつけた。最後の青春の日々を綴った……(*^o^*)/