スタンダール No.2.5◇パルムの僧院・下◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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許されざる激しい恋。別離を誓ったものの、運命は2人を引き合わせてしまう……






◇パルムの僧院・下◇ -La Chartreute de Parme-

スタンダール 大岡昇平 訳



叔母のサンセヴェリーナ公爵夫人やその愛人で公国の宰相モスカ伯爵、クレリアらの助けでファブリスは脱獄に成功した。だが愛する人への想いに駆られ、自ら牢獄へ戻る。やがて政争の果てに新大公が誕生、放免されたファブリスは聖職者となるが……。恋に、政治に、宮廷に生きる人々の情熱的な姿を鮮やかに描き、ルネサンス期のイタリアを愛したスタンダールの晩年を代表する名作。



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月組公演

昭和57年(1982年)10月1日〜11月9日

ミュージカル・ロマン

『情熱のバルセロナ』18場

ースタンダール作『パルムの僧院』よりー

柴田侑宏 脚本・演出

*併演公演は『愛限りなく』



スタンダールの『パルムの僧院』を下敷きに、舞台をスペインのバルセロナ公国に移した青春ドラマ。情熱の赴くままに行動する青年と清純な少女の悲恋に、年上の女性との愛を絡めて描く人間模様。青年貴族フランシスコ(大地真央)は、大公妃の誕生舞踏会で1人の美少女と出会う。友人ラファエルを訪ね思わぬことから男を刺し殺してしまったフランシスコは、投じられた牢獄で、牢獄の長官の娘だったロザリア(黒木瞳)と再会する。大地真央のお披露目作品。



雪組公演

平成26年(2014年)10月24日〜11月13日[バウホール]

バウ・ミュージック・ロマネスク

『パルムの僧院ー美しき愛の囚人ー』

ースタンダール作『パルムの僧院』よりー

野口幸 脚本・演出



フランスの文豪スタンダールが晩年に発表した長編小説「パルムの僧院」をミュージカル化。19世紀初頭のイタリアの小公国パルムを舞台に享楽的な美青年の恋と破滅を描いた波乱万丈の愛憎劇。
神学校を卒業したばかりの純粋無垢な主人公ファブリスが、故郷のパルムに帰って来た。育ての親である叔母のサンセヴェリーナ公爵夫人は成人したファブリスの精悍な姿に心奪われ、叔母と甥の仲を越えた感情を抱く。やがて許されざる関係に発展するが、ファブリスは公爵夫人に思いを寄せるパルム宮廷の男たちの陰謀により投獄される。絶望するファブリスであったが、牢獄の窓の下に住む城塞長官の娘クレリアと出会い恋に落ちる。ふたりは看守を通じて愛の言葉を交わし、禁断の逢瀬を繰り返す。しかし蜜月は長くは続かなかった……。
歴史の渦の中で様々な困難に傷付きながらも、愛の為に命を賭け、燃え上がる恋に身を滅ぼす若者の一途な姿を鮮烈に、また美しく描き出します。



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「パルムの僧院・下」です(・∀・)

私としたことが、1982年と2009年の方に気を取られて2014年にも上演された、という情報を掴み損ねましたorz しかもこちらの方がより原作に忠実でした。

舞台化で主軸のクレリアvsサンセヴェリーナ公爵夫人の愛と嫉妬は原作の方でも盛り込まれていてかなり読み応えがあります。というか公爵夫人、モテまくりやん……もはや真の主役だよ←

蛇足ですがサンセヴェリーナ公爵夫人の名前はアンジェリーナで「ジーナ」という愛称なのですが何故か「紅の豚」を思い出した……



さて、下巻はファブリスが投獄され、クレリアと恋に落ちます。大公の交代を中心とした政争の傍ら、あの手この手で意思疎通を測ったり、役目を全うする父親とクレセンチ侯爵の結婚のことを考えて苦しむクレリアが辛い……愛を選ぶか義務を全うするか……宝塚でも見られる辛くも見応えのある葛藤です。そして愛が罰に変わってしまったその証拠のなんと痛ましいことか! というか「パルムの僧院」ってそういう意味か! なんつー結末……いや恋と破滅って有るから良いけどよぉ……



「パルムの僧院・下」でした(・∀・)/ 

いよいよ最後の短篇集!(*^o^*)/