田辺聖子 No.2.75◇新源氏物語 三◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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罪を犯した者が、受ける者に。そして遂に恐れていたことが起こる。それは宿命なのか、罰なのかーーー





◇新源氏物語 三◇

田辺聖子



多くの恋をし、恋心の煩悩と呪縛に苦しむ源氏は、最愛の女人・紫の上を失って、初めて愛の意味を知る。悲しみに閉ざされたままの源氏は、出家を決意する。下巻には、「花散りし梅が枝に残る匂いの巻」より「夢にも通えまぼろしの面影の巻」までを収める。
遠く平安時代も、今も全く変らない恋愛心理、愛の物語「源氏物語」を、新しい現代の言葉で描いた『新源氏物語』本編、堂々完結。



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29.花散りし梅が枝に残る匂いの巻



30.藤のうら葉は色も褪せじの恋の巻



31.君がため若菜つむ恋の悲しみの巻



32.君がため若菜つむ恋のくるしみの巻



33.落葉ふる柏木の嘆きの巻



34.空しき調べに夢ふかき横笛の巻



35.つらき世をふり捨てがたき鈴虫の巻



36.山里の夕霧にとじこめし恋の巻



37.露の世の別れはかなき御法の巻



38.夢にも通えまぼろしの面影の巻



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月組公演

昭和56年(1981年)1月1日〜2月11日

グランドロマン

『新源氏物語』2部25場

ーー田辺聖子作「新源氏物語」よりーー

柴田侑宏 脚本・演出

*併演公演は『ジャンピング!』



平安朝の貴族社会を背景に、義母・藤壺への道ならぬ恋に起因した光源氏の数々の恋愛遍歴を、華麗にドラマチックに描く。春日野八千代以来の源氏役者として数年来期待されていた榛名由梨が、新しい「人間」としての源氏像を作り上げた。田辺聖子氏の「新源氏物語」を基にした優雅華麗な力作で、宇崎竜童氏が主題歌を作曲。専科・上原まりが藤壺、雪組・城月美穂が紫の上を特別出演で演じ、共にこの公演を最後に退団した。



月組公演

平成元年(1989年)5月12日〜6月27日

宝塚グランドロマン

『新源氏物語』2部24場

ーー田辺聖子作「新源氏物語」よりーー

柴田侑宏 脚本・演出

*併演作品は『ザ・ドリーマー』



昭和56年、田辺聖子氏の「新源氏物語」を基に柴田侑宏が脚本・演出、榛名由梨を中心とした月組で上演し、好評を得た作品の再演。華麗な平安の宮廷を背景に、恋に生き、苦悩し、その中で大きくなっていった光源氏(剣幸)の情熱のドラマ。再演にあたって、新しい見直しと共に細かい修正が施され、前作に劣らずますます優雅華麗な作品となり、きらびやかな王朝文学の世界を繰り広げた。源氏が深く愛した藤壺の女御をトップ娘役のこだま愛が演じた。



(以下略)



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「新源氏物語 三」です(・∀・)

かつて犯した罪の報いを受け、恐れていた「その時」が来てしまった最終巻。常々自分は「罪は永遠に償われない」とは思っていますが、これほど皮肉な罰も無い。親戚にして無二の親友にしてライバルによって息子が死に追いやられた、と知ったら物語は変わっただろうな……



というかそもそも男親の教育がとんでもなく間違えていますね……男は女にとかく「花よ蝶よと可愛がられよ」を求めますが、もしそれが叶ったらどうなるか、を紫式部は、夫なら絶対にこうはなりたく無い、という形で男に一矢報いてます。というか平安時代って内部の人間をたらしこめればセキュリティ消滅してしまうので誰かの実体験なんでしょうねこれ。ただしそれが本当なのか分かることはもはや無い。



息子夕霧の恋する、いや横恋慕暴走列車を挟み、紫の上の早過ぎる死。ぶっちゃけ「女三の宮の降嫁が原因だよおめー💢」、と言いたいのは置いといて←、紫の上を喪って初めて気づく、ということに源氏の罪の重さがあるなぁ、と思います。紫の上の死とともに源氏本人の命も終わってしまった、その事実に源氏に対する本当の罰が隠されている、と思います。



源氏物語には現代にも通じる人間の心理真理が有ります。そこに1000年前にすでに到達した紫式部はいかなる人生を、どんな思いを抱えて生きて来たのか。紫式部ことまひろの人生の中でその答えが垣間見えると信じたいです。



「新源氏物語 三」でした(・∀・)/ 

2023年はもうすぐ終わるけど新しい作家、行きます! その名は!(*^o^*)/