コーネル・ウールリッチ No.20◇靴が合うなら◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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記憶喪失の男が持っていたもの、それは自分のものでは無い鍵と登録カード、そしてーーー死体!?






◇靴が合うなら◇ -If Shoes Fit-

コーネル・ウールリッチ 黒田敏行 訳



記憶喪失の男と私立探偵。



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私立探偵のナイは今にも飛び込み自殺を行おうとする男を助ける。話を聞くとその男、マクレイは交通事故のせいで記憶喪失になってしまい、自分の名前と何かの鍵を持っていることしか分からないと言う……



興味が湧いたナイはまず鍵はどこのものなのか探すことに。兵役義務年齢に達しているからには登録カードが必ずあるはず。本人以外には役に立たないものだから拾われたからには届け出があるはず。



しかし役所に行ってみるとそのカードはマクレイのものでは無かった。次にそのカードの"持ち主"の住所に行ってみることに。するとなんと鍵が合うではないか。しかもマクレイは部屋に何があるのか知っていた様子で……そんな調子でクローゼットを開けると……なんと死体が入っていた! それも左の靴を2つ履いた……



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「靴が合うなら」です(・∀・)



ミステリで時々出てくる魅力的な存在、「記憶喪失の人物」。そんな人物に出会ったばっかりに事件に巻き込まれます。何故か左側の靴を左右に履いた死体の謎も解きながら記憶喪失のこの男は何者? という大きな謎を2つ解いていきます。美味しいですね。



それだけなら他のミステリファンも書けますがなんと死体、動くんです。死体が動いたらそれはもう死体じゃないので、ナイとマクレイの知らない第三者の存在があるわけですが……それが動く死体で示唆されていること、それがじわーりじわーりと少しずつ明らかになるところがウールリッチっぽいです。長編サスペンスにしたらこれ、絶対に怖い。ミステリー後味なのが残念!



「靴が合うなら」でした (・∀・)/ 

自分と同じ母語を話す人を探すHiruko、コペンハーゲンの病院で再集結してーーー(*^o^*)/