イアン・リード No.2◇もっと遠くへ行こう。◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




TwitterもといX: 「https://twitter.com/KYoCaTHouWoR
エブリスタ: https://estar.jp/users/153193524

宇宙移住へのモニタリング、それは2人の生活を「根本的」に覆したーーー

 

 

 

 

 

◇もっと遠くへ行こう。◇ -Foe-

イアン・リード 坂本あおい 訳

 

 

ジュニアにとって、人里離れた農場で妻のヘンと暮らす日々は幸せそのものだった。だがある日、謎の組織“アウターモア”からの訪問者がとつぜん現れ、ジュニアが宇宙への一時移住計画の候補に選ばれたと告げる。妻を残して宇宙へ旅立つなどとうてい考えられないジュニアだったが、妻はなんだかよそよそしい。まるで、この知らせを知っていたかのようにー人間の意志、そして“存在すること”の意味を問う、傑作スリラー。

 

 

☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆

 

 

ジュニアは妻のヘンと農場で鶏を飼い、工場で働いて暮らしている。人里離れた場所ではあるが幸せだ。

 

 

ある日の夜、訪問者がやって来た。テランスという男は謎の組織"アウターモア"から派遣され、ジュニアが宇宙の一時移住候補に選ばれたというのだ。2年が経ち、どんどんテランスはジュニアとヘンの生活に介入して来る。ジュニアとヘン個人からインタビューを録り、体調管理をし……

 

 

ジュニアはヘンとの生活を振り返り、テランスが来たせいでヘンも生活も何もかもが変わってしまったように思う。テランスに生活を乗っ取られるような気がして来る。その時ーーー

 

 

☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆

 

 

「もっと遠くへ行こう。」です(・∀・)

前作が衝撃的だったので日を置かず、2作目です。今回は随所随所に近未来の気配が見えます。もしかしたら前作もそうだったのかも?

 

 

宇宙移住計画をきっかけに夫婦仲に変化が……来たらサスペンスですが、そこに哲学を含ませるのが作者流。「どのように存在するのか?」がジュニア、ヘンの口から語られていきます。

 

 

読んでいて最初から違和感がありました。それに気がついた時、「ああ、ジュニアは多分……」と思いました。思いながらページをめくりめくりめくってめくって……いや、そうじゃなかった。前提が違っていた。最初に見た景色が間違っていた。この作者は本当に語り方、演出の仕方が上手いです。騙されない! と思ったのに!←

 

 

……というか2人とも待って。それは下手したら地獄なんじゃないか? また繰り返されるのか? まるでウロボロスですよ。もう2度と2人の生活は帰って来ない……というかある意味地獄の使者←アウターモアとは何者なんだ……是非アウターモアが出て来るものはシリーズ化して欲しい。

 

 

「もっと遠くへ行こう。」でした(・∀・)/

謎の死を遂げた女……その女の死には何が?(*^o^*)/