女王陛下、殺人に遭遇す! 事件解決の為、人を駆使して捜査陣を真実に導く!
◇エリザベス女王の事件簿 ウィンザー城の殺人◇ -The Windsor Knot-
S・J・ベネット 芹澤恵 訳
ウィンザー城で若い男の遺体がクロゼットから発見される。晩餐会に呼ばれたロシア人ピアニストで、遺体はあられもない姿だった。事件について城では箝口令が敷かれ、警察とMI5はロシアのスパイによるものと見なし捜査するが、容疑者が50名もいて難航する。でも大丈夫。城には秘密の名探偵がいるのだ。その名もエリザベス2世。御年90歳。世界最高齢の女王が華麗に事件を解決する!英国で10万部突破、18カ国で翻訳。
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2016年、英国。御年90歳のエリザベス2世陛下のお気に入りの城はウィンザー城だ。ウィンザー城に住めるならどんな逆境にも耐えられるとエリザベス女王は思っていた。が、そんなウィンザー城でーーー人が死んだ。
その前夜。ウィンザー城では晩餐会が行われていた。公的なものでは無く、ささやかなものだ。何せ招待客はほんの数人なんだから。死んだのは招待客では無く、ロシア人新興財閥の伝でピアノ演奏を行った若いピアリストだ。それだけでも痛ましいのに戸棚の中であられも無い格好で見つかりーーーしかも殺されたと言うではないか!
警察からはラヴィ・シン警視総監が、MI5からはハンフリーズ長官が城に入り、捜査を開始するが容疑者は招待客と城の関係者を含めても50人以上。ハンフリーズは自信満々、プーチン一派の仕業かと思うがエリザベス女王は違う、と睨む。
実はエリザベス女王は何十年、何回も代々の秘書官補と一緒に難事件を解いては真実に導いていたのだ。新人秘書官補ロージーは自由に動けない女王陛下に変わり、関係者の元を訪れ、必要な情報を手に入れる。ウィンザー城で行われた秘密裏な会議に一見無関係の死。果たして警察とMI5は真実を見出せるか!?
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「エリザベス女王の事件簿 ウィンザー城の殺人」です(・∀・)
9月、96歳で崩御されたエリザベス2世。矛盾しているのですが知らせを聞いた時、「あの方でも死んでしまうのか」と思ったのが正直な感想です。2012年のロンドン五輪でのお姿を見て以来「この方が死ぬところなんぞ想像できん」と思っていましたが……Twitterでも有った「俺たちはエリザベス2世のいない英国をまだ知らない(文はうろ覚え)」感が未だに凄いです。
蛇足。この本は父が貸してくれたのですが、この本を読んでいる時に訃報を聞いたとか。
名探偵エリザベス2世陛下。実は彼女が探偵役を勤めるのは本書が初めてでは無く、こちらでもがっつり事件に巻き込まれます。しかし本書はエリザベス2世ターンが有り、彼女の心情が伝わってきます。読んでいて女王が事細かな箇所まで誠実で優しく、思いやりが有り、ユーモアがあることが分かります。個人的には夫、フィリップ殿下との気を許しているやりとりが胸キュンでした。同時に殿下が亡くなられた時、女王は妻としてどれほど悲しかっただろうと思いました(;_;)
一国の王で有れば情報の入手など思い通りにゲット出来そうですが、女王ほどの知名度の高さと愛され度では歩き回る自由はゼロ未満だし、そもそも女王の信条は他者の職分は侵さないです。一応捜査は警察とMI5がすることになっているのだから。だとしたら……まさかそうやって真相を導くとは!
まさかのロージーでも無く、その方法とは! いや最初は肩透かし気分でしたが、終わりのハンフリーズの意気揚々さを見ていると「ある意味幸せなんだろうなぁ」と思ったり← 確信した。女王は絶対チェスが強かった。国民には愛され、統治能力もあり、非常に聡くて、人の適材適所も心得ていて……欠点あったのかこの人…………ご子息の離婚問題? EU離脱問題? いや、それ、女王のせいじゃないし。
一応舞台は2016年なので亡くなるまでの6年の間にもういくつか事件がありそうです。コロナ取り上げるのかな……いや、それは嫌だな←
「エリザベス女王の事件簿 ウィンザー城の殺人」でした(・∀・)/
ハロウィーンの夜、映画スタジオで怪奇が起こる!?〜(*^o^*)/