石坂洋次郎◇陽のあたる坂道◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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坂道を上がり切れば、きっと明るい未来が待っているのかもしれないーーー

 

 

 

 

 

◇陽のあたる坂道◇

石坂洋次郎

 

 

女子大生・たか子は、経営者・田代の娘の家庭教師になった。裕福で幸福そうに見えながら出生の秘密を抱えた田代家は、優等生の雄吉、型破りの信次、足の悪いくみ子が、明るく寄り添って暮らしていた。人生を肯定的に切りひらこうとする信次と、まっすぐな性格のたか子はやがて心を通わせるようになるが―。奔放で闊達、自由な空気に満ち溢れた、胸のすく青春文学の王道。

 

 

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雪組公演

石坂洋次郎原作「陽のあたる坂道」よりミュージカル・プレイ『丘の上のジョニー』18場

翻案・脚本・演出 菅沼潤

昭和53年(1978年)6月30日〜8月8日

*併演公演は『センセーション!』

 

 

石坂洋次郎原作の「陽のあたる坂道」から、舞台を1930年代のアメリカ東部の町ボストンに話を置き換えてミュージカル化。女子大生クリスティーン(城月美穂)が家庭教師として訪れたマーガレット家には三人の子供がいた。医学生のアラン、画家志望のジョニー、足の悪い高校生のスージー。しかしジョニー(汀夏子)だけ母親が違っていた……。ともすれば崩れやすい運命を持ちながら、それを乗り越えて逞しく生きていくジョニーを中心に、若者たちの青春の姿を生き生きと描いた。

 

 

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「陽のあたる坂道」です(・∀・)

 

 

最初、作者を「あれ、石原慎太郎じゃなかったっけ」と勘違いしましたが、弟裕次郎が同名の映画に出たのでそれとごっちゃになっていたようです。

 

 

本書は2006年刊行版ですが、作品そのものは40年代に出たものでかなり古臭く感じます。けれど言葉遣いとかには既視感があって……分かりました。初期の「ガラスの仮面」の雰囲気と似ているんです。……でも宝塚でやった時も相当古さを感じたと思います。だから時代と場所を変えたんだと思います。アメリカの方がまー舞台は華やかだし。

 

 

話の内容としては大学生のたか子が来たことによって各々の秘密が少しずつ明らかになり、彼らも変わっていく話なのですがジョニーの型破りな明るさがひたすら救いです。こんな秘密、普通は家庭を壊すし、人格形成に大きく影響するので人生を肯定するジョニーもとい信次に救われるというか泣きたくなるというか。でも罪を被ることはないと思うだよ!!。゚(゚´Д`゚)゚。 真実を1番肝心のみどり夫人が知っていて良かった……「こだわりアラカルト」でスージーの足のことを話す場面が有りましたが、良い場面ですよね。

 

 

子ども、というか若者が過ちを認めながら本音をぶつけ合い、お互いを理解し合うのに対して大人ってくっそめんどくさい。と思わずにはいられない。どいつもこいつも変なプライドと見栄を張りあって……

つくづく「大人は駄目ねぇ」そして「男は駄目ねぇ」に尽きる。あ、一部は違うぞ、民夫とか! 

こんな夫婦だけど、男女だけど秘密と本音が詳らかになったらきっと何かが変わるのでしょう。

 

 

人は誰でも人生の坂道を登ります。坂道には終わりがあるけどそこに何が待っているのかは誰にも分からない。だからこそ各々の登場人物の未来についても読者はどうとでも考えられるようにこの話の終わりはああなのかもしれません。人によっては中途半端に見えますが……

 

 

「陽のあたる坂道」でした(・∀・)/

「家族ってなんだろう」、の次は「夫婦って何なんだろう……」〜(*^o^*)/