何処にも適応出来ない「ボーダーライナーズ」の子どもたちを待ち構えていた"実験"とは?
◇ボーダーライナーズ◇ -Border Liners-
ペーター・ホゥ 今井幹晴 訳
舞台はデンマーク。物語の主人公たちは、少年院や孤児院から送られてきた少年たち。彼らは家庭や社会で暮らすことができず、さらに以前いた施設にも適応できないボーダーライナーズ(どこにも適応できない境界上の者たち)だった。彼らは社会へ復帰する最後のチャンスを与えられ、舞台となる私立の特殊学校に送り込まれる。しかし彼らはこの学校で行われる“実験”のことは何も知らされていない。主人公となる少年と少女三人は、この“実験”に気付き、ここからの脱出を試みるが、それは生命の危険を伴うものだった…。
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時間について考えることの多かったおれことペートォは孤児院や数々の施設を経て最終的にビール学園に移って来た。そこで彼は転校生アウグストを紹介される。だがビール学園は厳しい選抜があり、何人もの子どもがアウグストの前に待っていたのだ。彼らを差し置いて何故……その時ペートォはビール学園の遠大な計画に気が付いた。いや前からその兆候はあった。
ペートォは時間について語り合うことが出来た少女カタリーナと共にどんどん不安定になり、多人格も抱えるアウグストをめぐるビール学園の計画について調べ始める。ビール学園が進める計画とは? 教師達によって時間と数字に管理
されるペートォたちが学園外に出るのは容易では無い。しかし彼らは時間を捻じ曲げることでそれを可能にしようとした。そして……
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「ボーダーライナーズ」です(・∀・)
こちらに引き続き2作目。いきなり海へ拓かされる前作とは真逆に今度は学園の外へ逃れ、外の世界に過去に学園で行われたことを公表する話です。精神障害を抱えた子ども達を利用し行われた実験、それの根幹は善でしたが、やり方が非人道的でした。
……しかし非常に分かりにくい小説です。主人公が時間について考えることが多い為、過去と現在が入り混じって進行します。どの人物が登場しているかで時系列が入れ替わるので注意が要ります。それ以外にも示唆される文章が多いので私にとっては久しぶりの相性が悪い作家です……いや、あくまでも主観なんですが←
しかし読んでみるとビール学園はともかくとしてデンマークの教育福祉が1990年代の時点でかなり進んでいることが分かります。その証拠に体罰の禁止は1967年です。うそん。
自分もそう考えるし、後書きにもありましたが一回日本は経済成長を望むのやめてみたら?
「ボーダーライナーズ」でした(・∀・)/
明日から5月なので通常の読書の輪に戻るはずだったのですが、頼んでいたチェスタートンが今日届いたのでそれを読んでからになります(*^o^*)/