レックス・スタウト No.11◇遺志あるところ・前篇◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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彼の「遺志あるところ」不可解な遺言状と殺人事件ーーー!!

 

 

 

 

 

◇遺志あるところ・前篇◇ -Where There's a Will◇

レックス・スタウト 大村美根子 訳

 

 

合衆国でも有数な実業家が死んだ。遺族たちは遺書の内容にびっくり仰天、スキャンダルになることを恐れた。ウルフは遺書をめぐるごたごたが大嫌いで、眉をひそめたが……

 

 

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ネロ・ウルフの預金残高が最低額をマークしているというのに彼のお眼鏡に敵う事件が無い。そんな中で実業家ノエル・ホーソーンは死に、その遺言状に関わるごたごたに巻き込まれた。

 

 

ノエル・ホーソーンには子はいなかったが、夫人と妹が3人と甥と姪が1人ずつと愛人が1人いる。ノエルは上流階級らしく遺言状を遺した。それによるとジューン・ダン夫人の甥と姪に10万ドルずつ、カレッジに10万ドルの寄付、夫人には55万ドル、3人の妹たちには(何故か)林檎と梨と桃を1つずつ、あとの残りの700万ドルは愛人ナオミが受け取るということだ。

 

 

果物を贈られるのは良い(ほんとか?)、だが財産の大部分を愛人に贈られるなんて! ホーソーン三姉妹の我慢ならないのはそこである。三姉妹はネロ・ウルフにナオミを説得し、少しでも多く遺産を放棄してほしいと説得するよう依頼する。遺言状のごたごたが大嫌いなネロ・ウルフは渋るが最終的には了承する。しかし当のノエルが猟銃事故では無く、本当は殺されたことが分かると状況は一変し……

 

 

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「遺志あるところ・前篇」です(・∀・)

まさかの単行本未収録作品です← 読むと長編というよりかは中編小説だと思うので収まりが悪かったのか……

 

 

推理小説では遺言状は一族間にゴタゴタを起こすと相場が決まっています。本作もその例に漏れず、遺産の大部分が愛人ナオミに贈られます。……いやそれよりも三姉妹には何故か果物1つずつしか贈られない、という事実に誰か突っ込んで。アーチー! もしノエルの死が殺人ならこの果物にこそ事件を解く鍵が有るのでは!? と思うのですがどうなの!? どうなの!?←

 

 

今回のネロ・ウルフはなんとアーチー無しで出かけるという一大事を起こしてホーソーン家へ。そこで関係者兼容疑者兼遺族から話を聞き始めます。

 

 

……それはそうとホーソーンという名付けという、三姉妹の名付けといい、なんか一時代前の物語の香りがしますね? 一応これ日本への敵意バリバリの1940年代の話なんですが……物語の解説で「レックス・スタウト版『リア王』」と有りましたが、どこがそうなのか後篇で確かめたいと思います!

 

 

そんなわけでいざ、後篇へ! (*^o^*)/