殺人で夫婦関係を保つ「わたし」と妻の未来はどうなる?
◇殺人記念日◇ -My Lovely Wife-
サマンサ・ダウニング 唐木田みゆき 訳
ふとしたことで人を殺し、その隠蔽という共同作業を経て夫婦円満となった「わたし」と妻。二人はもはや殺人を楽しむようになり、次なる獲物を求めていた。そんなとき、隠していたはずの被害者の死体を警察に発見されてしまう。そこにはある秘密があった――彼らは十八年前の連続殺人事件の犯人に罪をなすりつけようと画策するが……。数多くのミステリ最優秀新人賞にノミネートされ、国際的ベストセラーとなったサスペンス。
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「わたし」はリンジーという女性が遺体で見つかったと言うニュースを聞いて驚いた。見つかってしまった。リンジーはかつてわたしが関係を持った女性、そして妻のミリセントと共に決めた「獲物」だったーーー………ミリセントの姉ホリーから始まった女性殺しとその隠蔽。わたしが女性を見つけ、ミリセントが殺害とその隠蔽を行う。それは2人にとって夫婦円満の秘訣であった。だから隠蔽工作は完璧な筈だった。今日までは。
2人は話し合い、リンジー殺しをオーウェンという18年前にヒドゥン・オークスを恐怖に陥れた連続殺人犯になすりつけることにした。手紙を送り、再びセンセーションを巻き起こして。しかしそれによって娘ジェンナが不安定になる。それにオーウェンは既に死んでいることが分かって……
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「殺人記念日」です(・∀・) このようなご時世の中、開けてくださった全ての書店さんと図書館に感謝!!
Twitterで見て気になった本です。あまり新刊は読まないのですがつい……
殺人を楽しむサイコパーな夫婦の物語です。「夫婦円満の秘訣は何ですか?」と聞かれて「殺人❤️(by ミリセント)」と答えかねない夫婦が過去の殺人の失敗を過去の連続殺人犯に押し付けるというぶっ飛んだ話です← もう中盤からは終盤にかけては心臓がジェットコースターみたいにばくばくして読み進める手が止まらなーい!
しかしよくよく読むと夫婦と言えども1から10までお互いを知っているわけでは無いよう……主人公の「わたし」は妻のミリセントに意外に沢山の隠し事をしているし、ミリセントは秘密が多い……中盤からはそれがどんどん明るみに出ます。展開とか「わたし」の未来とか一瞬「なんか似てるな?」と思ったのですが、最後の一文に不意打ちを喰らった気分。考えてみれば「わたし」だってサイコパーの夫なんだしなぁ……? 今度は何? 独りで、それを、やるのかね?
なお、ぶっ飛んだこの話は数々の賞を総なめにして早速映像化進行中。本邦上映したら観てみよう。怖いかも知れんが。
「殺人記念日」でした(・∀・)/
次は久しぶりのレム氏です (*^o^*)/