ヨルン・リーエル・ホルスト No.3◇鍵穴◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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多額の現金は一体どこから湧いた? 過去の未解決事件と結びつける、"鍵穴"はどれだ!?

 

 

 

 

◇鍵穴◇ -Det Innerste Rommet-

ヨルン・リーエル・ホルスト 中谷友紀子 訳

 

 

閣僚を歴任してきた大物政治家バーナール・クラウセンが心臓発作で急逝した。直後、ラルヴィク警察の主任警部ヴィリアム・ヴィスティングは検事総長に呼び出される。クラウセンの臨終に立ち会った労働党幹事長が、機密文書の有無を確認するため故人の別荘を訪ねた際、大金のつまった段ボール箱を発見したのだという。クラウセンは外務大臣を四年務め、議会の防衛委員会の重鎮でもあった。見つかったのは巨額の外国紙幣であり、汚職につながる可能性があった。鑑識員のエスペン・モルテンセンに声をかけ、ヴィスティングは別荘に向かった。問題の段ボール箱は全部で9箱。紙幣は米ドル、英ポンド、ユーロの三種類で、総額はノルウェーの通貨で8000万クローネを超えていた。翌日、クラウセンの別荘が放火に遭う。ヴィスティングは全焼した火災現場で、検事総長から一通の手紙を渡される。その手紙は、過去に起きたある若者の失踪事件に、当時保健大臣だったクラウセンが関与したことをほのめかしていた。

 

 

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ラルヴィク警察の主任警部ヴィスティングは検事総長から呼び出しを受ける。先日亡くなった大物政治家クラウセンの別荘から大金が見つかったのだ。段ボール箱に入った外国紙幣で総額はノルウェー・クローネで8000万! 一体何のお金だ? まさか汚職? 党の重鎮だった元外務大臣が? とにかく事は重大で極秘捜査になる。ヴィスティングはベテラン鑑識モルテンセンに声をかけ、一緒に捜査することに。

 

 

ヴィスティングとモルテンセンが大金入りの段ボール箱を運び出した直後、別荘は放火に遭う。このお金が目当てだったのか? ヴィスティングは検事総長からクラウセンがとある行方不明事件に関わっていた、という密告の手紙を手渡される。その事件は2003年にイェルシェ湖に釣りに出かけた若者が行方不明になった未解決事件だったが、同じ日に空港で現金強奪事件が起こっていたことも分かり……フリー記者で娘のリーネとクリポスで未解決事件を担当するスティレル、イェルシェ湖事件を取材した記者ヘンリエッテも加わり、大金と未解決事件の繋がりが徐々に明らかになるーーー!?

 

 

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「鍵穴」です(OvO)

えー、約1年ぶり、ノルウェーミステリ史上、いや北欧ミステリ一の親子仲良しand最強コンビが帰ってきました。本当にこの親子孫は癒しですわ……あ、リーネはいつのまにか大手タブロイド紙《VG》の記者を辞めてフリーになっていました。というかパートナー誰だったんだ← その辺りも翻訳カモン!

 

 

本書はその大金何処から来た? と未解決事件と何処で繋がる?テーマです。大物政治家が隠し持っていた大金と現金強奪事件と失踪事件。いやいや、前2つは良いとして、最後とは共通点無いでしょーと思いましたが、これがどっこい。

 

 

「動機はあまりにも切なかった」に激しく同意。ああクラウセン……大事だった家族を失った貴方には、それを守ることが最優先だった……党や自身の信条を翻しても。人間は誰でも過ちを犯してしまう可能性を秘めている。けれどヴィスティングも作者もそれを責めたり、糾弾したりはしない。今読まれるべきなのはこういった人間を見つめるミステリーだよな……

 

 

前作「カタリーナ・コード」と本書は「未解決事件四部作」と呼ばれるシリーズです。あと2作も小学館から出ること間違いなしでいやー、楽しみです!

 

 

「鍵穴」でした(・∀・)/

次は〜……ヤバい読む物ない、こんなことになると知っていたら無理矢理にでも捻出したのにばっかやろおおおおおおおお!!!!