アメリカからやって来た金持ちの秘めた恐ろしい目的とは?
◇〈グラン・サン・ジョルジュ〉ホテルの謎◇ -Les Mysères du Grand-Saint-Georges-
ジョルジュ・シムノン 長島良三 訳
謎の金持ちがこの町にやってきた理由を探る老御者の奮闘。
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ポーランド、ビルナに金持ちの外国人が現れた。その男はそこで1番のホテル〈グラン・サン・ジョルジュ〉ホテルに泊まった。それだけなら飲んだくれの老御者シュルツはすぐに忘れただろう。ところがその男テッド・モランは貧しいユダヤ人街やストレジフ村に馬車を走らせ、何故か農夫を連れて来ては自分の部屋の隣に泊まらせる。その直後から不審な殺人事件が発生し、その農夫も首吊り自殺を遂げる。モランの怪しい行動の一部始終を知るシュルツは自分なりに彼の目的を探ろうとするが……
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「〈グラン・サン・ジョルジュ〉ホテルの謎」です(・∀・) ノン・メグレものの中篇です。何から何まで怪しい金持ちの男と男の不審行動を間近で見届ける羽目になった老御者の話です。金持ちの男が貧しいユダヤ人街や村を渡り歩く理由は? 連れてきた農夫は誰か? 何故拷問などをするか? 何故農夫は首を吊った? 等々いくつも謎が有ります。それがシュルツに思いがけず繋がってしまうところは恐ろしい。それにしても大昔のことをあちら側も覚えていた、とは。やった側って忘れるものだと思っていましたが。
老御者シュルツの数奇な運命と後味はすっきりしない、濁ったものです。本当に違う言葉だったらシュルツの運命はどうなっていたんだろう。それを問いかけるところがフランスっぽいよな……舞台はポーランドだけど。
「〈グラン・サン・ジョルジュ〉ホテルの謎」でした(・∀・)/
次からは新しい作家&名探偵が登場! (*^o^*)/