街の鳩の数だけ、物語が有る。
◇鳩の彷徨◇
依鳩噤
街なかに無数に蔓延る、ヒトに最も身近な鳥類であるドバト。
身近すぎて、多すぎて、1羽いなくてもわからない。
しかし、そのドバトたちも、我々とその重みの変わらない一生があるのです。
その1羽に隠されたドラマへ、スポットライトを。
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
1.行方不明の土鳩
2.モダン流行語幻想
3.銀河とセーラー服
4.隣室の鳩
5.ビードロの床
6.ハッチング・ブルー Hatching Blues
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆
「鳩の彷徨」です(・∀・)
表紙画像を見て気づいた人も居るかも知れませんが、実はこれ、市販されているものではなく、去年の文学フリマ東京で買い求めた1冊です。ああいうイベントに行くことは滅多に無いのですが、たまにいくと新鮮です。もちろんコロナ対策は万全を期しましたよ! しばらく本棚の肥やしになっていたのですが、ちょうど読むものがなくなってしまったのでついに読む機会を得ました。
鳩を話の主軸にした純文学風の作品集です。雑誌や冊子風が多かった中、数少ない文庫本媒体だったのに惹かれて買った一冊だったのですが……この文字の多さ←と世界や人間をとことん掘り下げて書くこの感じが大変好みでした。街中でくるっくーと鳴く鳩の哀愁と皮肉めいたシニカルな目線とモノローグが斬新です。いやー、作者とかサークルとか知識なーんも無かったですが、買って良かったです。次もチェックしよう。
2と3は鳩が出て来ない小品。2は大正時代の日常一幕。当時の流行語をふんだんに使い、会話等もその時代ならでは、という感じで読んでいて楽しかったです。3はボーイ・ミーツ・ガールならぬマン・ミーツ・ガールandオールド・マンもの。列車だからこそ出逢えた人たちとのただ一回の会話。派手さ驚きは無いけどしんみりと大事にしまいたくなるような……でもこの琴の師匠って……内田百聞と友達で目が見えないって……あの人しかおらんやん……列車って皮肉……
「鳩の彷徨」でした(・∀・)/
次こそレム氏! ……しかしこの人のエッセイなど読みこなせるのか!!?(*^o^*)/←