ジョルジュ・シムノン No.122◇手帳の小さな十字印◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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クリスマスの夜、殺人犯と警報機を割った子どもを追え!

 
 
 
◇手帳の小さな十字印◇ -Sept Petites Croixs Dans un Carnet-
ジョルジュ・シムノン 長島良三 訳
 
 
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クリスマス。警視庁の電話交換台に控えているルクールは通報を受けるたびに手帳にその場所に十字印をつける。色々な事件が起こるが、中でも《日曜日の男》とあだ名される無差別殺人鬼は別格だ。メグレ警視もこれにかかりっきりになっている。
 
 
その時独り暮らしの老女が殺され、そのそばの壊された警報機の側にハンカチが落ちているのが見たかった。そのハンカチはルクールの甥フランソワのものだった。さらにその老女ファイエ婆さんはルクールの弟オリヴィエの義母だったのだ。
 
 
オリヴィエは最近失業したがフランソワの為に出勤するふりをし、ファイエ婆さんから金を借りてクリスマスプレゼントを買おうとしていた。フランソワは父に金も仕事もないことを知っていたのではないか? まさか……メグレ警視は警官を総動員させて子どもの捜索にあたらせるが見つからない。一方ルクールは自分の手帳の十字印を見て《日曜日の男》の正体に気がつく……
 
 
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「手帳の小さな十字印」です(・∀・) 
 
 
まさかのメグレnot 主人公作品! 本作の主人公はアンドレ・ルクールという名前の警察官であり、電話の受付という役目を担っています。事件の手がかりを掴むのも彼です。平凡な警察官が弟と甥の無実と無事を信じてメグレに直談判するところは実にかっこいい。
 
 
子どもが出てくる軽快なミステリーです。クリスマスの話に子どもが出てくるのは定石ですが、えっ、子どもが殺人犯!? えっ、子どもは無事なの!? の二重のハラハラドキドキが楽しめます。シムノンはリアリストなので子どもが犯人だったらどうしようとマジで心配しました。シムノンは時々こういう軽快なものも書きますが、本作もそれでよかったー……
 
 
「手帳の小さな十字印」でした(*^o^*)/
次はあのレオポルド警部にミステリアスなクラスメートがいた!?(*^o^*)/