ジョルジュ・シムノン No.118◇メグレと老婦人の謎◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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狂人と思われた老婦人が殺された……犯人が探した、老婦人すら知らなかったものとは?

 
 
 
◇メグレと老婦人の謎◇ -La Folle de Maigret-
ジョルジュ・シムノン 長島良三 訳
 
 
メジスリー河岸に住む一人暮しの老婦人が殺された。死因は窒息死。死の直前まで、自分の留守中に誰かが忍びこんで家探ししている、と警視庁に訴えていた。では侵入の目的は?単なる物盗りでないことは状況から明らかだ。本人の知らない宝物でもあったのか?メグレは引出しを調べていて拳銃用のグリスらしいしみを発見する。消えた拳銃…メグレが動く。
 
 
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5月。パリ警視庁のメグレの下に1人の老婦人が訪ねて来た。どうしてもメグレに会いたいのだ、と言う。とは言え、メグレに会いたいと宣う人間は沢山いるのだ。代わりに若いラポワントを寄越す。
 
 
老婦人はメグレに会えないことに落胆しながらもラポワントに部屋の家具の位置が少しずつ動いている、誰かが部屋に侵入しているのだと訴える。妄想の気もあるが、かなり冷静な老婦人だ。そのうち仕事帰りを待ち伏せるようになり、根負けして近いうちにお目にかかると約束する。……しかしそれでは遅すぎた……
 
 
というのも彼女ーーーアントワーヌ夫人は殺されてしまったのだ。赤いマフラーに窒息死させられて。メグレとラポワントは大いに気まずい。メグレは老婦人の姪、その情夫、その情夫が懇意にしている前科者を調べるうちに彼女の家に拳銃が有り、それが姿を消しているのが分かる。……家探しした原因はそれなのか?
 
 
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「メグレと老婦人の謎」です(・∀・)
 
 
メグレ、自責の念に駆られる。の巻。まさかのメグレとあろう警視が狂人と常人の区別がつかないとは! ベテランがやってはいけない所業だ!← まぁ確かにあれだけの証言で警察を動かせるほど人員は居ませんが……でもなぁ……
 
 
さてさて、シムノン作品では殺された人間が重要視されることが多いです。しかし殺された老婦人には2回の結婚履歴はあるものの、なんら隠された過去も後ろ暗い過去も無さそうで捜査は早速行き詰まります。人畜無害なおばあちゃんっぽかったですが、やはり人から話を聞くと別な一面が見えるもので……でもそういう持って行き方はクリスティー女史の方が上手だなと思いました。最後動機は分かりますが拳銃っておいおい……と思いました。そりゃそんな拳銃が本当に広まったから今日の銃犯罪は様変わりしたけど……でもギャングってだけでもう現実味無いし……それならもう少し家庭面を掘り下げた方がよっぽど人間描写できて面白かったと思うのに……クリスティー女史なら絶対に家庭内殺人にしたな……と思いました。私でもそうした。
 
 
「メグレと老婦人の謎」でした(・∀・)/ 
道化師と薬物がどっかどかっとやって来る!(*^o^*)/