10年前の少女の死が新たな惨劇を呼んだーーー
アイスランド西部フィヨルドへ週末旅行に向かう若いカップルがいた。数日後、地元警察は別荘で死亡している女性を発見。レイキャヴィーク警察のリーズルは女性の父親を強引に逮捕する。十年後、殺された女性を偲び四人の仲間が絶壁の無人島・エトリザエイに集う。二日後、仲間の一人が崖から転落死しているのが見つかった。捜査に向かったフルダは、やがて過去の事件に隠された深い闇に潜っていくことに。前作『闇という名の娘』の衝撃のラストから遡ること十五年。フルダ自身の父の秘密とともに語られる、少女たちに起きた悲劇とは。待望のシリーズ第2弾!
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それは秘密の旅行の筈だった。西部フィヨルドにある彼女の別荘へ。彼女は不思議な話をしてばかりだったが、彼は楽しかった。……しかしその数日後、彼女は死んだ。血塗れで他殺が疑われ、彼女が握っていたセーターが決め手で父親が犯人と思われたが……
10年後。レイキャビーク市警の警部フルダは私用でアメリカに向かっていた。それは父親探しの旅だった。彼女の父親はアイスランドに駐在していた米軍兵士だったのだ。名前と出身地だけを頼りにフルダはアメリカに向かう。その人は結局父親では無かったが、最後まで消息を調べてくれ、写真をくれた。
同じ頃。10年前に殺された彼女を偲び、4人の仲間が絶壁の孤島エトリザエイに集まった。……それぞれ思惑が有った……その思惑は不安と疑心になってやがて1人の転落死という形で現れた! 現場に向かったフルダは彼らが何か隠していると勘付く……10年前の罪が暴かれる!
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「喪われた少女」です(・∀・)
誰も幸せにならない、後味最恐の前作に続いて2作目。15年前の話です。なんで15年「前」なのかは読んだ貴方なら知ってますよね! 知らない人は本屋でGoだ! 読めば一瞬で納得するぜ!←
本作は過去の事件が長い影を落とすパターン。他の北欧ミステリーと違って政治経済面は皆無で人間の出来事が描かれています。だからこそ「私たちでもあり得るかも知れない」と思わされます。
ダーグルは、ベネディフトは、アレクサンドラは、クラーラは私たちが未だ出し得ない別の顔、別の感情なのかも知れない。それも願わくば一生知りたくない顔だ。
……それにしても1987年当時のアイスランド警察がクソッタレ過ぎるーーー!! こんな奴が警察にいて出世したとかアイスランド警察はどうなってるんだ! そんなに人足りなかったの!? ねぇ、これは駄目ですよ、アウト! 警官としてもアウトですが、人間としてもアウト! 幇助だなんて軽蔑に値する!
ちなみに1巻では出てこないのできちんと懲戒免職されたか死んだかのどちらかでしょう。良かったー←
15年前だとまだ夫のヨンと娘のディンマは存命です。台詞有りませんが。そこには深い伏線があるように思えます。そして父親探し。唯一の肉親が母親の行きずりの関係だったというのがなんとも悲しい……そして隠された秘密にも。
「喪われた少女」でした(・∀・)/
次は北欧繋がりで北欧幻想小説にいきます!(*^o^*)/