ライヘンバッハの滝の遺体から見つかった謎の文章がアメリカと英国を犯罪に巻き込む!
◇モリアーティ◇ -Moriarty-
アンソニー・ホロヴィッツ 駒月雅子 訳
『最後の事件』と呼ばれるホームズとモリアーティの対決から5日後、現場を訪れた2人の男―ピンカートン探偵社調査員のチェイスとスコットランド・ヤードのジョーンズ警部。彼らは情報交換の末、モリアーティへの接触を試みていたアメリカ裏社会の首領を共に追うことに。ライヘンバッハ川から上がった死体が隠し持っていた奇妙な紙を手がかりに、捜査が始まる! ドイル財団公認、再読必至のミステリ大作!
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スイスのライヘンバッハの滝であの名探偵シャーロック・ホームズとその宿敵ジェームズ・モリアーティが死闘を繰り広げた5日後。ピンカートン探偵社の調査員フレデリック・チェイスは列車で其処へ向かっていた。滝から引き揚げられたモリアーティの死体を調べる為に。
チェイスが出逢ったのはスコットランド・ヤードのアセルニー・ジョーンズ警部。かのシャーロック・ホームズに手酷く打ち負かされて以来、そのやり方を徹底的に学んだ警部である。2人は一緒に調べ、遺体から『緋色の研究』の第2章を引用した紙を見つける。チェイスには分からなかったが、ジョーンズ警部がそれを調べた。なんとそれは待ち合わせと会合を知らせる暗号文だった!
そもそもチェイスが赴いたのは殺害された諜報員ピルグリム青年が掴んだクラレンス・デヴァルーを捕まえる為である。アメリカの非道なギャングが英国の非道な犯罪者モリアーティと結託しようとしている! 阻止せねばならない! しかし2人の前には数々のかつてない危険が立ち塞がりーーー
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「モリアーティ」です(・∀・)
前回に引き続き、ホロヴィッツ特集。前作とは打って変わって悪役モリアーティ教授が主人公、というか鍵になっています。正典にも登場したキャラもどっさり登場してニヤリとさせられます。
パスティーシュの創作にも事欠かないほど謎の多いライヘンバッハ事件。あのホームズの宿敵なのでホームズと同様、「いやいや、ホームズ同様実は死んでないんじゃないの!?」と勘繰るのはシャーロキアンやホームジアンなら突然ですよね。自分もそう考えて読んでいましたが、まさかの○○から現れるか……!!と絶句しました。あんた……散々焦らしておいて……! うーん、やられました! 確かにそうなると少年暗殺者ペリーの不可解な行動も説明がつきますし、意外に小物感満載だったあいつの理由も納得!
……だけどそれで良いのか感も満載! これ絶対続編あるでしょ!! 無かったら泣くぞぉ!
そして正真正銘!? ワトスン著の『3つのヴィクトリア女王像』も収録! 『モリアーティ』で言及されたアバーネッティ事件の全貌が明らかになります。警察側の苦労も垣間見えて苦労が忍ばれます……
「モリアーティ」でした(・∀・)/
次は超久しぶりの北欧ミステリです(*^o^*)/