小説の事件、現実の事件。2つの事件の謎が明かされる時、真実が!
◇カササギ殺人事件・下◇ -Magpie Murder-
アンソニー・ホロヴィッツ 山田蘭 訳
名探偵アティカス・ピュントのシリーズ最新作『カササギ殺人事件』の原稿を結末部分まで読んだ編集者のわたしは、あまりのことに激怒する。ミステリを読んでいて、こんなに腹立たしいことってある? 原因を突きとめられず、さらに憤りを募らせるわたしを待っていたのは、予想もしない事態だった──。ミステリ界のトップランナーが贈る、全ミステリファンへの最高のプレゼント!
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『カササギ殺人事件』を読んだ《クローヴァーリーフ・ブックス》の編集者であるスーザン・ライランドは激怒した。あまりの怒りに上司のチャールズに電話をかけた。自力で何とかしようとするスーザンのところに来たのは問題の作品の作者アラン・コンウェイが死んだと言うではないか!
確かにアラン・コンウェイは人好きのするタイプでは無かったが、まさか屋敷から飛び降り自殺を図るなんて……うん? 自殺? あの人が? 本当に? アランの身内や知人と同じようにスーザンにはだんだん彼の死が自殺ではないんじゃないかと思うようになる。話を聞けば聞くほどアラン・コンウェイという作家が複雑な造形を持っていたことが分かる。この事件の真相はきっと『カササギ殺人事件』の原稿が知っている筈だ。スーザンは自ら探偵役になって捜査を続けるが……
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注! 上巻を未読の方は全力で回れ右をお勧めします!
「カササギ殺人事件・下」です(・∀・)
……その前に! 今、このブログを読んでいるそこの貴方、上巻は読み終えましたか!? え、読み終えてない? よし、じゃあこのブログを閉じましょう。え、上巻の途中? だったら尚更この記事を読んではいけない。
……え、下巻を読んでいるところ? え、読み終えた? 素晴らしい! 良し、だったら開始1ページにしてこの言葉を叫んだはずです。
せーの………
あれで終わり(かよ)!!?
舞台はいきなり現代へ。語り手兼主人公スーザンの怒りの声で幕が上がります。スーザンの怒りは読者の怒りでもあるんですがね← 読者をストレスで殺しにかかっています。
そこに作者の自殺という前代未聞の事件が勃発し、スーザンも私たちも二重の犯人探しを行うことになります。いやー、素晴らしい。物語の犯人と物語の中の物語の犯人の2人(?)を探すことになろうとは。二重にミステリーが楽しめます。ホロヴィッツ氏はミステリーファンなら誰もが喜ぶことを心得ています。
此処で明らかになる作者アラン・コンウェイ。スーザンからしてみれば気の合わない、いけすかない嫌な作家だと思っていましたが、関係者の事情聴取を行ううちに彼の複雑な人間像と感情が露わになります。それは彼の作品にどーんと表れていて衝撃のラストに更なる衝撃を与えます。こんなこと考えて作品を書いていたのかと思うと「うげ……っ」となってしまいますね……あの広告文がぁ〜泣
そしてクリスティー特有の「この人は言い返せばこうでもある」「この人のあの行動の意味は全て逆だったのだ」節が全開です。うわーお、ごめんね……
いやー、面白かったです! 流石は7冠を獲得した作品です。こりゃー続刊を読むしかありませんわ!
「カササギ殺人事件・下」でした(・∀・)/
次はなんと作者自身が探偵の助手に!?(*^o^*)/