ジュール・ヴェルヌ No.40◇ラトン一家の冒険◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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ネズミのラトン一家の美しいラチヌとその恋人ラタンの幻想溢れる冒険譚!

 
 

 
◇ラトン一家の冒険◇ -Aventures de la famille Raton-
ジュール・ヴェルヌ 古屋健三 訳
 
 
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ねずみの父ラトン、その妻ラトンヌ、娘のラチヌ、従兄弟のラテ、召使の料理人ラタと女中のラタ。娘のラチヌはラタンというねずみと恋仲で将来を誓っていた。この世界は輪廻の法則に従い、生物の段階を踏む。最上階は人間で最下階は軟体動物だ。
 
 
時は流れ、ラタンは美しい青年になった。ところが愛するラチヌは横暴な領主キサドール公に横恋慕され、家族共々牡蠣になってしまった。しかも悪い妖精ガルダフールの力を借りて……困り果てたラタンは良い妖精フィルマンタに助けを求め、ラトン一家は鳥やねずみに姿を輪廻させながら逃げることに……
 
 
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「ラトン一家の冒険」です(・∀・)
 
 
主人公は鼠。ヴェルヌ史上初の動物主人公です。輪廻転生が軟体生物から魚、鳥、獣、人間と段階ごとに踏まれる世界、それを利用して一人の女性の恋を阻み、我がものにしようと企む悪徳領主と悪い魔法使いと、その女性と家族を守る人間とそれに力を貸す良い妖精のファンタジーです。
 
 
テイストしてはこちら寄りです。幻想風味で子どもでも楽しめます。悪い魔法使いによって人間になれそうだったところを邪魔されてまた1からやり直さなきゃならなくなったラトン一家のコミカルな反応が楽しいです。ラチヌはそんな場合じゃありませんが、のんびり屋のラトンと高慢なラチンヌ、いつも前の輪廻転生の名残を残すトホホなラタ……見ていて面白いです。こういうのを見ると鼠も人間のようだぁと読んでいて面白いと思うと同時に人間風刺にも見えてきます……
 
 
世界観は面白いし、キサドール公と悪い魔法使いを倒せるか!? と始終ドキドキして読めるのでヴェルヌの意外な一面が見えます。しかしなかなか手に入らないのでご注意! 表紙だって原書だし!←
 
 
「ラトン一家の冒険」でした(・∀・)/ 
次は〜……何になるか分かりません←え