澁澤龍彦 No.1◇ドラコニアの夢◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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ドラゴニア・ルームへようこそ!

 
 
 
◇ドラコニアの夢◇
澁澤龍彦
 
 
サドやコクトーの名訳で知られる仏文学者、西欧異端文化の紹介者、達意のエッセイスト、絢爛たる物語作家――いくつもの魅惑的な顔を有する文人・澁澤龍彦は、みずからの文学世界をドラコニア(龍彦の国)と呼んだ。
本書は「澁澤龍彦×文豪」をコンセプトに、新世代の読者に向けて編まれたアンソロジーである。
古今東西の文豪たちをめぐるエッセイを中心に、小説、評論、紀行、対談など全26篇を収録。
 
 
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三つの髑髏
 

髑髏
 

夢のコレクション
 

豪華な白
 

林檎
 

秘密結社の輪廓
 

犯罪的結社 その他
 

横浜で見つけた鏡

   
ランプの廻転
 

地震と病気 谷崎文学の本質
 

『亂菊物語』と室津のこと
 

江戸川乱歩『パノラマ島奇談』解説
 

『夢野久作全集』第一巻
 

小栗虫太郎『黒死館殺人事件』解説
 

『銀河鉄道の夜』宮澤賢治著
 

石川淳と坂口安吾 あるいは道化の宿命について
 

三島由紀夫とデカダンス 個人的な思い出を中心に
 

『変身のロマン』編集後記
 

潜在意識の虎 『動物の謝肉祭』序
 

毒草園から近代化学へ
 

デカダンス再生の“毒” サドの現代性
 

優雅な屍体について
 

恐怖の詩 ラヴクラフト傑作集『暗黒の秘儀』 
 

メルヴィル頌
 

避雷針屋

   
鏡花の魅力 対談 三島由紀夫×澁澤龍彦

   

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(前略)
「手に入らない」それが最後のひとつだったのか、男が吐息をついた。
「こんな占いばかり当たってもまったく嬉しくない。組織など編んでみても、やはり欲しいものは手に入らぬか」
男が顎の下で手を組み、その顔が炎に照らされる。
白い膚に背中まで流れる白い髪。髪の一部は編み込んで垂らしている。美しい容貌の中、毒々しい赤の瞳が印象的だ。
澁澤龍彦。
この男を殺せば、龍頭抗争は終結する。
 
 
ーーー「文豪ストレイドッグス  DEAD APPLE」より。
 
 
「ドラコニアの夢」です(・∀・) 
イェーイ、ついに映画編。コミック派でアニメ観ていないのに映画はがっつり特典小説と画集のために三回も観に行きました。画集の時は地元では完売してしまったので往復4時間かけて電車乗って映画館に行きました。今思えば狂ってる←
 
 
ここでの「澁澤龍彦」は【ドラコニア・ルーム】という【濃い霧を発生させ、異能力を結晶化にし、蒐集できる】という狂信的コレクターな異能力の持ち主です。ところがこの澁澤は異能力が人間の形になったもので本物はすでに死んでいます。その驚きの真実が終盤に明らかになるのですが……
 
 
私はコミック派なのでコミックにまだ出ていない龍頭抗争のことはよく分かりません。なので実在と文ストの「澁澤龍彦」を同時入場させてブログを書き綴ろうと思います。
 
 
「澁澤龍彦(1928〜1987)」は文スト登場人物中では比較的遅生まれのフランス文学者・エッセイリスト・小説家です。神保町の本棚で彼の翻訳作品やエッセイ本をよく見ますが、この人、小説も書くんだ……と思いました
小説の方は『唐草物語』、『高丘親王航海記』といった幻想文学を書き、泉鏡花を高く評価していました。映画とこのエッセイだけ見るとぶっちゃけ「文スト」は鏡花ちゃんが主人公でも良いのではと思ったり……いやヒロインだから主人公か。
 
 
本書は映画公開を記念して編者の東雅夫が選りすぐったエッセイを1冊にしたものです。髑髏、林檎、横浜、白、犯罪的結社の元ネタがずらり。「あれの元ネタはこのエッセイかー!」と吐息をついて読めます。キャラの造型能力が凄過ぎる。さらに武装探偵社メンバーのほとんどが書中に登場します。出てこないのは福沢社長と与謝野さんと国木田さん。「なるほど」と思える。時代と作風がてんで違う。
 
 
横浜は、やはりヨーロッパから驚異や夢がたえず運ばれてくる港であり、私の父が祖父の舶来の玩具のおみやげに狂喜したであろうように、未だに私たちを狂喜させることのできる何物かを、もたらしてくれる場所らしいのである。
ーーー「横浜で見つけた鏡」より。
この一文だけも「澁澤龍彦」が文ストに登場した理由が分かりますよね。
 
 
「ドラコニア・ルーム」でした(・∀・)/
次はまたも北欧ミステリーです。気分だけでも涼しくなりたい(*^o^*)/←