ジョー・ネスボ No.10◇真夜中の太陽◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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過去に狩られるものは守りたいものと共に救済への道を探すーーー

 
 

 
◇真夜中の太陽◇ -Midnight Sun(Mere Blood)-
ジョー・ネスボ 鈴木恵 訳
 
 
「隠れ場所にはうってつけだろう」―大金と銃を持ったその男がやってきたのは、少数民族サーミ人が住まうノルウェーの北部。夏のあいだは真夜中でも陽が沈まない極北の地だ。男はウルフと名乗って素性を隠すも、教会の堂守のサーミ人母子としだいに心を通わせていくことになる。最果ての白夜のなかで狩猟者としての日々を過ごす男。自分もまた狩りたてられた獲物であることにおびえながら…いまもっとも注目されるノルウェー・ミステリの第一人者が、絶賛を浴びた『その雪と血を』に続けて放つ、死と再生の物語。
 
 
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ウルフ・ハンセンは逃げるため、狩られないためにここにやって来た。少数民族サーミ人が住む厳格で保守的な教えが生きている、ノルウェーの1番北の地に。
 
 
ウルフは教会の堂守レアとその息子クヌートと親交を深めながら狩猟者として日々を過ごす。
しかし警戒は怠らない。かつてウルフはドラッグ絡みの借金取り立て係だったが、アンナのためにどうしても金が必要になり、大金を盗んだ。そしてとうとう追われる身になったのだ。
 
 
平穏な日々は終わりを告げる。レアを愛していると気がついた時に、そしてボス《漁師》の手下ヨンニの追っ手が太陽の沈まないこの地にやって来た時に。
 
 
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「真夜中の太陽」です(・∀・)
かーなーり久しぶりの北欧ミステリーです。5ヶ月ぶりです。あんまり久しぶりなので次も北欧ミステリーを読みます。作者は違いますが。
 
 
これまた久しぶりのジョー・ネスボですが、ハリー・ホーレシリーズではなく、「その雪と血を」と同系統の追われる裏稼業の男が主人公でその逃亡と再起ーーー「死と再生」がテーマです。
こちらも比較的すんなりと読めます。というか訳がなんか軽い。ハリー・ホーレシリーズとは書き方が全然違います。作者ネスボが意識しているのかそれとも訳者の問題なのか……
 
 
ノルウェーの北の果てに住む少数民族サーミ人についてわたしは全然知りませんが、その厳格な教えは同時に闇でもあります。ノルウェーにも村八分とかあるんだ……とかそれが絶対。という発想があるのか……とか思ってしまった……どうかレアとクヌートには幸せになって欲しい。
 
 
物語の終わりはある意味で誰にも分からない。もしかしたらヨンニが焦土作戦に気がつくかもしれない。それは遠い未来かもしれないし、近い未来かもしれない。もしかしたら永遠に逃げ切れるかもしれない。
 
 
わかっているのは、今ここでは何もかもが完璧だということ。今の自分はかねてから望んだ場所にいること。途上ではあれ、すでにそこにいるということ。
 
 
この事実があれば、「今ここでは」大丈夫なのだ。と思える。
 
 
「真夜中の太陽」でした(・∀・)/ 
次はノルウェー・ミステリーだけどジョー・ネスボ以外のノルウェー・ミステリーです(*^o^*)/