復讐は神が成す。
◇カンガの王様◇ -The King of Kanga-
イーデン・フィルポッツ 永井淳 訳
同じ船に乗り合わせた客の話に付き合うわたし。その青年は恋人を奪われ、復讐を考えていた。半ば辟易していたところに1人の老人がやってきた。その老人ピーボディは復讐を思い留まるよう、自らの身の上話ーーー謂わば昔話を始めた……
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「カンガの王様」です(・∀・)
またも単行本未収録作品。江戸川乱歩編集の雑誌「宝石」から一編。本作はかなり短い話でテーマは復讐。復讐を考えたなら少し落ち着いて思い留まるよう諭す話です。
「そんなの無理に決まっているだろう!」と憤るのは尤もですが、これを読むと神様は確かにいて、人が手を下す前に神が天罰を下してくれることを思い知ることになります。
ここでの悪党はジョージ・バーンウェルという人の恋人を騙して奪ったあげく、手酷く扱って捨てて逃げるような男です。その男がカンガという南の島でどうなったのか……それは読んでみてのお楽しみ。しかし悪党に似合った最期だと思います。そうすれば形に残って永遠に忘れませんものね。
「カンガの王様」でした(・∀・)/
次は館での怪奇ものです(*^o^*)/