H・G・ウェルズ No.2◇透明人間◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




TwitterもといX: 「https://twitter.com/KYoCaTHouWoR
エブリスタ: https://estar.jp/users/153193524

姿を完全に不可視し、村を町を都市をパニックに陥れる透明人間の企む陰謀とは!?

 
 

 
◇透明人間◇ -The Invisible Man-
H・G・ウェルズ 宇野利泰 訳
 
 
二月の吹雪の朝、イギリスの田舎町の宿屋に一人の男があらわれる。宿のおかみは客の途絶えがちな季節にとびこんで来てくれたこの客に内心喜び、なにかと張り切ってサービスに努めようとする。だが、客の愛想はよくない。そして、予想外の出来事が起こり始める……ヴェルヌとならぶSFの開拓者H・G・ウェルズの代表作。
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆  
  
 
2月の閑散期に英国、アイピングの村に1人の泊まり客がやって来た。ところがその客ときたら頭から足の先まで包帯とサングラスで覆った不愛想な男でしかも部屋に閉じこもると怪しい実験を行う。
 
 
この男は何者なのか? 徹底した秘密主義は何を隠しているのか? そのうち村では妙な事件が起こる。ものが盗まれ、それが目と鼻の先で行われたと思しきも関わらず、その姿が見えないのだ。そして偶然からアイピングの村人たちはいきなりやってきた男の包帯とサングラスの向こうが透明であることに気がついてしまう!
 
 
村中はパニックに陥り、透明人間は逃げ出す。偶然出会った男を脅し、服や食べ物を調達しようと考えるが失敗する。やがて彼は旧友のケンプのところに押しかける。彼が透明人間になることで企む陰謀とは?
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆  
 
 
「透明人間」です(・∀・)
ウェルズの代表作にして古典SFの金字塔が早くも登場です。透明人間……人間を構成する何もかもを不可視させることで人間の眼を欺く超人的存在……透明になれれば後ろ暗いことも犯罪スレスレももちろん犯罪もやり放題! 書いていることは危ないですが、人類の夢ですよねーコレ。でも他のSFじゃ見たことないな……
 
 
本書はそんな透明人間が起こす怪事件です。感覚は残るって不便ですね← 見えなくなるだけで踏まれたら痛いし、お腹は空くし、触ったものは浮いて見えるし……って考えると上にあげたことをやるのって大変なんじゃ……
 
 
薬品で透明人間になった男グリッフィン。危ない奴です。狂人です。ものすごく癇癪持ちな上に人の金を盗んで自殺に追い込んでも何の呵責も感じない悪人です。そもそも透明人間になろうとした動機も狂っています。グリッフィンはサイコな科学者の走りの1人でもありました。……なるほど、こうして科学者=狂気じみた悪人というイメージが出来上がったわけですね……きっとそういうイメージを払拭しようと頑張ったのが20世紀のSF作家、だったのかもしれません。
 
 
「透明人間」でした(・∀・)/ 
失踪した男は望んだものを手に入れられるのか?(*^o^*)/