2組の夫婦の旅の終着点はーーー!?
◇獣の数字③◇ -The Number of the Beast-
ロバート・A・ハインライン 矢野徹 訳
黄色い煉瓦のオズの国、『ガリバー旅行記』の小人国…。多元宇宙を旅するぼくらが見たものは、かつて親しんだ小説そのままの世界だった。本の中の世界はみんな宇宙のどこかに実在していたのだ。だが、どんな宇宙に逃れても、邪悪な異星人は執拗にぼくらを追ってくる。ぼくら一家に安住の地はないのか? そんな時、ぼくらの前に思いもよらぬ人物が現われた…。巨匠が最大の情熱を傾けて描き上げた力作長編、ここに完結。
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宇宙から宇宙へ、旅する4人。ある宇宙空間へ出た4人はある宇宙船に呼びかけられる。その宇宙船を管理するコンピューターはドーラ、指揮する双子はローとレイズ。つまり4人とゲイは「愛に時間を」の世界に飛んだわけだ。
総督ラザルス・ロングはジェイクの発明である多元宇宙移動装置を使い、あることを計画していた。ラザルスの目的に黒帽子らを思い出したキャプテン・ヒルダは一時ラザルスを監禁するが、交渉の末、装置を使い、消息不明になってしまったラザルスの母モーリンを救出することになる。
そして多元宇宙から客人が次々とやってきてーーー
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「獣の数字③」です(・∀・)
読むのに時間がかかりましたが、最終巻です。
いよいよ訳か分からない。
ついに登場しました、ラザルス・ロング。おそらく4人は「愛に時間を③」のラストのその後に飛んだ模様です。そしてまさかのラザルスの愛するお母さんモーリンの救出大作戦を決行します。なんでそれをここで入れた!? どんどん、どんどん話がズレていってる! モーリンの救出作戦は別の作品でやれば良かったと思います。主人公が一気にラザルスに……! お前他の作品で散々主人公やってるだろうが!
問題の黒帽子が3巻ではさっぱり登場せず、「まさか忘れられた!?」とすら思いましたが←、最後の最後できちんと出ました。そこで初めて題名の「獣の数字」の意味がわかった気がします。ジェイクの最後の言葉が意味深で旅は本当の意味では終わっていないことを示してます。
さて本作はハインラインの他の作品のキャラクターがドカドカっと登場します。5作品は確実に登場しています。なにこれ、ハインラインの脳内小説楽屋か!? 元祖メタか!? まさかラスボスってハインライン自身!? 内容も難解な上にハインラインの作品おさらい会みたいなところからしてこの作品はハインライン初読者、または読んで間もない人には本気でオススメできない。手に取ったあなたが今言ったことに当てはまるならそっと本棚に戻しましょう。
さて、作中では多元宇宙=小説の世界です。その小説の中に住むことになった4人はその世界が小説だと思っている人たちにとってどう映るんでしょうか。というか4人がいた世界も多元宇宙の1つだった可能性が高いですよね。
現実の意義とは何なんでしょう。……わたしたちのこの地球も誰かにとっては多元宇宙ーーー小説の世界。なのかもしれませんね。
「獣の数字③」でした(・∀・)/
次は2人の男の物語です(*^o^*)/~