イワン・ゴンチャロフ No.1.8◇断崖 5◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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あらゆる「断崖」を超え、明日を未来を求めよーーー

 
 

 
◇断崖 5◇ -Обрыв-
イワン・ゴンチャロフ 井上満 訳
 
 
マルクとの関係がついに破綻し、打ちひしがれるヴェーラ。従妹の宿命的な場面を目撃したライスキーは思わずつぶやく―「単純な生活でも、その真実をむき出しにすれば、何という巨大さ、恐ろしさだろう!」と。物語はいよいよ完結を迎える。
 
 
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「断崖」最終巻。マルクと破局したヴェーラは打ちひしがれ、生気を失い、病気がちになります。完全に夢から覚め、自分のしでかした「罪」を思い知らされます。……まさかのお祖母様も。
お祖母様の罪は前々々回ぐらいに書かれていますが、それが噂になって人の口で有る事無い事を言われてしまい、孫のヴェーラも同じ運命を辿りかねないことになります。しかもお祖母様、知っていたのか。
 
 
マルクは未練がましく手紙を書きますが、きっとオネーギンもこんな感じだったんだろうな(苦笑)と思ってしまいました。ニヒリストというのは振るのは平気だけど振られることには免疫ないんですな← 読んだことないので分かりませんが、もし違っていたらごめんオネーギン← しかし伝言者に歯牙にもかけなかった(しかし実は単純で自然で真の行動党たるロシア人)トゥーシンをよこされるとは……気の毒というかなんとやら。
 
 
前半部はヴェーラとお祖母様の懺悔が占めていてライスキーはほとんど登場しません。というより5巻のライスキーは観察者、記述者という第三者の立場に置き、この巻の大きな出来事にはほとんど関わらないことになります。
 
 
そんなライスキーも最後はペテルブルクに戻り、彫刻に本腰を入れようとイタリアに行ったり、世界を歩き回ります。しかしそれでも振り向けばいつでも故郷があると思い、気分は前向きである……半年の里帰りはライスキー自身の情熱と現実と向き合ういい機会だったと思います。
 
 
「断崖 5」でした(・∀・)/ お疲れ様でした、わたし!←
次は超久しぶりのメグレです(*^o^*)/~