ジョー・ネスボ No.8.5◇贖い主-顔なき暗殺者-・下◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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罪を、贖え。ハリーはまたも"喪失"を味わうーーー

 
 

 
◇贖い主-顔なき暗殺者-・下◇ -Redeemer-
ジョー・ネスボ 戸田裕之 訳
 
 
救世軍メンバー射殺事件の捜査チームは、犯人を特定し、クロアチア人の男を指名手配する。その男は、契約を全うするため、厳寒のオスロで過酷な逃避行を続けながら、本当のターゲットを繰り返し狙う。だが、名前が割れ、パスポートやクレジットカードが使えなくなり、手持ちの現金も底をつく。さらに、銃弾を使い果たしたために…。CWAインターナショナル・ダガー賞候補の傑作!
 
 
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ハリーらオスロ警察と殺し屋スタンキッチの攻防戦は続く。スタンキッチはクレジットカードも使えなくなり、寒さを凌ぐにも困るようになる。スタンキッチは一度民間人に囚われるが、逃亡する。
 
 
ハリーはヨーン・カールセンの寝室でえぐり取られた目玉を、ダストシュートで女性の遺体を発見する。名前はラグニル。ギルストルプ証券経営者の義理娘だ。この犯行が意味するのは?
 
 
ハリーは殺し屋の仕事背景を知るため、ザグレブに向かう。その間、ヨーンを警護していたハルヴォルセンが襲われ、昏睡状態に陥ってしまう。意識は戻らず、数日後に命を落とす。
 
 
救世軍、クロアチア人、ギルストルプ証券会社、醜聞。過去の事件が掘り起こされる時、全てがつながり、明らかになる。贖罪の時が来たれり。
 
 
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「贖い主-顔なき暗殺者-・下」です(・∀・)
 
 
ハリーとオスロ警察対スタンキッチの攻防戦編です。
スタンキッチは本当に任務を果たすために、ハリーらは彼を捕まえるために聖夜のオスロを走り回るわけですが、後半になるにつれてどんどんどんどん話は思いもよらない結末に! 北欧特有の社会の泥と闇の部分とミステリーだけで味わえる謎解きが紐解かれる様子が怒涛のように味わえます。スピード感あり過ぎ! 犯人、お前か。お前みたいな奴は絶対許せん。最期のシーンの悪あがきがクズ過ぎる。
 
 
そしてまさかのハルヴォルセンまであんな目に!! ハリーはまたも信頼した相棒を殺されてしまいます。それも最悪の形で! ただの殉職ではない、殺される、です。ハルヴォルセン、良い部下だったのに! 事件解決後のベアーテとの会話が泣けます。
 
 
本作のキーワード、「贖い主」。キリスト教では大事な言葉です。罪深いわたしたちのためにキリストは十字架にかけられるわけですからね。
贖罪と赦しは違う。赦しはそこで止まるけど贖罪はそのために何かしらの行動をとるという点で「進んでいる」とも言えます。ハリーの、マルティーネの、(まさかの、意外な)ビャルネの贖罪。「贖罪」というのは本当の意味で自分を救うことなのかもしれません。
 
 
本作で一応翻訳されたハリー・ホーレシリーズを読破しました。これからは2巻と「スノーマン」以降を正座して待機しようと思います。
ハリー・ホーレシリーズを読破したら、次はノン・シリーズが1冊。父を残酷な形で喪った息子による復讐の物語です。これを読んだらジョー・ネスボ作品、読破達成です(増える可能性は120%)! そしたら他のノルウェー・ミステリーを出版社ごとに読んで読んで読みまくる!
 
 
「贖い主-顔なき暗殺者-・下」でした(・∀・)/
メグレ、謎の殺人予告に挑む!(*^o^*)/~