悪魔が導く答えは「5」。赤いダイヤモンドと五芒星、ヴォーレルとの対決に決着がつくーーー
◇悪魔の星・下◇ -The Devil's Star-
ジョー・ネスボ 戸田裕之 訳
最初の女性殺害に続き、人妻が失踪し、弁護士事務所で受付の女性が殺されて見つかった。被害者はいずれかの指を切断され、遺留品には赤い五芒星形のダイヤモンド。犯人のメッセージを読み解こうとするハリーだが、示された答えは５連続殺人…。捜査を指揮するトム・ヴォーレル警部は、自分の仲間になるようハリーに圧力をかけるが―。３０カ国以上で累計部数２０００万部超の傑作シリーズ！
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ハリーは一連の殺人事件が「5」に基づいて行われていることに気がつく。切断された指、事件が起こった日、犯行時間、住所。会議が行われた次の日に次の凶行が行われる！ 五芒星を繋ぐ線の場所はオーラウグ・シーヴェルツェンという年配の女性が住む場所。彼らはそこに張り込む。
ベアーテはオーラウグから重要な手がかりを得る。彼女の息子は現場に残された五芒星の赤いダイヤモンドを持っていたのだ！ 同じ頃ハリーは五芒星のメッセージを見つけ、切断された親指を見つけ、「最初に殺された」青年の遺体を見つける。
オーラウグの息子スヴェンは逮捕される。ハリーはスヴェンを逮捕したヴォーレルにその場でスヴェンを射殺するつもりだったのだろうと突きつける。なぜならスヴェンとヴォーレルはお互い知っていたからだ。スヴェンは武器を密輸し、ヴォーレルはその相手だったから。ハリーはヴォーレルを破滅させるために取引を持ちかける。そして独断で留置所から出す。
プラハで撮った写真、日本人観光客が撮った写真。写真をきっかけにピースは繋がり、事態はどんどん収束に向けて加速する。そしてハリーとヴォーレルの対決も第三者を巻き込み、ついに決着がつくーーー！
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「悪魔の星・下」です(・∀・)
下巻は恐る恐る歩いて様子見していた上巻とは打って変わって色々な事実が分かって繋がって、収束に向けてスピード満点です。それと並行してハリーの対プリンス戦も決着がつきます。そしてそれに巻き込まれるまさかのオレグ……！← ここでも危険に巻き込まれていたのか！ ……その後で別れ話が出なかったのが不思議です。「スノーマン」では元恋人になってしまい、ラケルは別の男性との結婚を決めていたので(しかもそれが2人を決定的に別れさせてしまうことになる)次巻の「贖い主」で『何か』があったんでしょう。何があったんだ……
去年、ジョー・ネスボ&堂場瞬一のトークショーで「日本人観光客が撮る写真がこの本(「悪魔の星」)で重要な手がかりだ云々」と語っておられましたが、読んでいて「ここだぁ！」と思いました← えー、あれから1年か……1年経っても北欧ミステリの修行はまだまだ足りません。力不足が情けない限りです←
犯人がまさかのまさかの。しかし考えてみれば確かにこの人は1番の容疑者だ。そう考えると前回わたしが気になっていた疑問の答えもすんなり分かります。なるほどな。動機面も似ていたなぁ……しかし見せ場はすぐ「ハリーVSプリンス in エレベーター」に映ってしまいます。スピード感はジェットコースター並み。息もつけない。ヴォーレルには相応しい天罰が待ってました。アーメン←
エッレンの仇は取れたけどその爽快感やカタルシスが全く感じられないのはハリー、というより作者ネスボさんの書き方ゆえなんだろうなぁ。仇を取っても、エッレンは帰ってこれない。それを突きつけられたというか……そもそも後半はもはやエッレンのことは考えてなかった気が。
オスロ警察上層部の信頼厚かったヴォーレルの化けの皮を剥がしたハリーは免職を免れました。分かっていましたが←。しかし良くも悪くもアバンギャルドでアウトローで一匹狼でいい加減なところがあるハリーを部下にするのは大変だと思います。
果たしてシンガポールで起こった事件を解決する(……話のはず)2巻と「スノーマン」以降はいつ出るでしょうか←
「悪魔の星・下」でした(･∀･)/
お久なシムノンは新しい探偵をお出迎えしております(*^o^*)/~