ジョー・ネスボ No.6◇コマドリの賭け・上◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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銃器の密輸、東部戦線の血と死の記憶、「何か」が起ころうとしているーーー

 
 
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◇コマドリの賭け◇ -The Redbreast-
ジョー・ネスボ 井野上悦子 訳
 
 
アメリカ大統領オスロ訪問の警護で起きたアクシデントを隠蔽したい上層部の意向で、ハリーは公安警察局に異動となる。警部に昇進したものの、各地からの報告書に目を通すだけの閑職だ。しかし、ある報告から、ノルウェーに高性能狙撃ライフルが密輸された形跡を見て取る。何かが起ころうとしている―。『ネメシス 復讐の女神』『悪魔の星』へと続く、壮大な物語の幕開け―満を持して登場!CWAインターナショナルダガー賞最終候補作!ハリー・ホーレの物語の原点にして、シリーズの行方を決定づけた重要作!
 
 
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ノルウェー警察のハリー・ホーレ刑事は同僚のエッレンと共にオスロを訪問するアメリカ大統領を警護していた。ところが、同時に警護していたシークレット・サービス側のミスでハリーは間違った人を撃ってしまう。幸い大事にはならなかったが、ミスや手違いがあったこと自体が由々しき事態だ。ハリーは警部昇進と同時にPOT(公安警察局)に異動になった。
 
 
といっても閑職だ。やることと言えば各地からの書類に目を通すことだけ。ところがシリアンで見つかった薬莢がノルウェーで銃器登録のないライフルであることが分かる。ハリーが独断で調べたのだ。そのメルクリン・ライフルは狩猟には向かず、純粋に殺人向きだ。そんな銃がどうしてノルウェーに? 誰が買った? 武器商人はすぐ見つかったが、その間に立つ"プリンス"と買った相手"ウリア"は分からない。ドイツ語を話すノルウェー人という手がかかりからかつて東部戦線で前線に立った兵士なのではないかと推測する。
 
 
一方、同僚ハリーが異動になり、エッレンは爆音で音楽を流すトム・ヴォーレンと組むことになる。エッレンが手がけた事件は意外なところでハリーが担当する事件とつながっていた。エッレンはある電話から"プリンス"の正体に気がついてしまいーーー危機が迫る!
 
 
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「コマドリの賭け・上」です(・∀・)
 
 
ご無沙汰しております、ノルウェー・ミステリーです。最後に読んだのが2017年2月だったので実に1年ぶりです。ぎょえー。
 
 
ハリーはさらに久しぶりです。酒の臭いを漂わせる影ある皮肉屋ハリー、おかえりなさい。シリーズ順と刊行順が比例していなかったばっかりに派手に間違えスッ転び、「なんとしてでもシリーズ順で読んでやる!」と誓って約1年。今年の2月に出たシリーズ順6番目の「贖い主」を経てやっと3番目の本書が発売され、循環の輪をかけて到着しました。これからは順次ハリーが本ブログに登場します。
 
 
……あらすじでも書いてありますが、シリーズの行方を決めた超重要作なら、なんで今の今まで出さなかった!?  「ガラスの鍵賞」
を受賞したのはシリーズ1作目だし、どうしてそこから刊行順にしようと思わなかった!? 絶対にノルウェーと日本で抱く印象違うでしょ……
 
 
本書は今まで読んで分からなかった欠片がいっぱいあり、その1つが同僚エッレン。このエッレンが良き同僚過ぎて後半の危機をまともに見られない。「エッレエエエエン!! 」と絶叫ものです。その間ハリーはラケルとロマンス中で「なにやってんだぁぁぁ電話取れぇぇぇぇ」とここでも悶絶。なるほどここからして2人の恋は暗かったんだな……"プリンス"ってまさかのそのまんまだったのか。もろアピールしてるやん……
 
 
ハリーはエッレンの死で身を持ち崩す寸前まで堕ちることが次巻以降で明らかになり、それが5作目「悪魔の星」で決着がつきます。つまり5作目でシリーズが終わってもおかしくなかったのかな。人気が出て来て新しく描きたいことができたのでしょうか。
 
 
第二次世界大戦のノルウェー兵士の過去の亡霊が付きまとう中、エッレンの死に直面することになる下巻へいざ。(*^o^*)/~