ジョルジュ・シムノン No.26◇港のマリー◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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港町シェルブールでの男女の冷たさと激しさを秘めた恋ーーー

 
 
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◇港のマリー◇ -La Marie du Port-
ジョルジュ・シムノン 飯島耕一 訳
 
 
冷たい沈黙の底に、永遠の悦びを誘う魅惑を秘めた娘マリーーーーその魂が求めたなまなましい愛の本質を突く本邦初訳の話題ロマン
 
 
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船を持つシャトラールは情婦オディールの父親の葬式で妹のマリーを見た。彼女に惹かれたシャトラールはマリーを口説くが、マリーはつれない。
 
 
それを知ったマリーの恋人マルセルは嫉妬し、シャトラールを襲うが、逆に負傷する。シャトラールは彼を自分の家で引き取るが、逆にマルセルとオディールが一線を越してしまい、事態が変わってくる……
 
 
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「港のマリー」です(・∀・)
 
 
ノン・ミステリーものです。マルセル・カルネ監督で映画化された作品です。シムノン作品はメグレシリーズも含め、映像・映画化されたものが多いので観てみるのも一興かと思います。
 
 
この作品は中年の粗野な男が情婦の妹マリーに恋してしまうラブロマンスです。このマリーが一言で言い表せない、複雑な女です。彼女は「スールノワーズ(腹の底の知れない子)」と呼ばれていますが、まさにその通りです。彼女の言動全て何を、どう思っているのか、分からないんです。シャトラールですら、本当に愛しているのか……というかそもそも愛と呼べるのか。情欲か? 激情か? それともこれも愛なのか?
 
 
普段は冷たいですが、一方で時に激しさを表し、そのまま突き進んでしまうマリー。愛というのは……一言で言い表せないものですね。
 
 
「港のマリー」でした(・∀・)/
次は久しぶりにミステリーのシムノンです(*^o^*)/~