事件の数だけ不可能犯罪あり!?
◇サム・ホーソーンの事件簿 1◇ -DIAGNOSIS: IMPOSSIBLE The Problems of Dr.Sam Hawthorne-
エドワード・D・ホック 木村二郎 訳
橋の上で消え失せた馬車、 ”小人”と書き残して密室で殺されていた車掌、行き止まりの廊下から消え去った強盗、誰も近づけない空中で絞め殺されたスタントマン等々、次々と発生する怪事件! 全編不可能犯罪をあつかった、サム・ホーソーンものの初期作品十二編に加え、特別付録として、著者の代表作の一つであり、これまた不可解な墜死事件の謎を解く「長い墜落」を収録した。
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1.有蓋橋の謎
(The Problem of the Covered Bridge)
……その馬車は橋の途中で消えた!?
2.水車小屋の謎
(The Problem of the Old Gristmill)
……その日誌は金庫に空いた小さな穴から盗まれた!?
3.ロブスター小屋の謎
(The Problem of the Lobster Shack)
……その魔術師は脱出も侵入も不可能なロブスター小屋の中で殺された!?
4.呪われた野外音楽堂の謎
(The Problem of the Haunted Bandstand)
……その町長は衆人環視の目の前で50年前の亡霊に殺された!?
5.乗務員車の謎
(The Problem of the Locked Caboose)
……その車掌は密室の中でメッセージを残して殺された!?
6.赤い校舎の謎
(The Problem of the Little Red Schoolhouse)
……その子どもは高く上がったブランコから誘拐された!?
7.そびえ立つ尖塔の謎
(The Problem of the Christmas Steeple)
……その牧師は無実を訴えるジプシー以外の誰かに殺された!?
8.十六号独房の謎
(The Problem of Cell 16)
……その囚人は予告通りその監獄から脱獄した!?
9.古い田舎宿の謎
(The Problem of the Country Inn)
……その強盗犯は行き止まりの廊下から姿を消した!?
10.投票ブースの謎
(The Problem of the Voting Booth)
……その候補者は1人っきりでブースにいたところを殺された!?
11.農産物祭りの謎
(The Problem of the County Fair)
……その遺体は埋められたばかりのタイムカプセルの中から見つかった!?
12.古い樫の木の謎
(The Problem of the Old Oak)
……そのスタントマンは空中で首を絞められ殺された!?
13.長い墜落
(The Long Way Down)
……その社長は飛び降りてから何時間も経ってから死体で見つかった!?
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「サム・ホーソーンの事件簿 1」です(・∀・)
ホックのシリーズキャラクター、次は探偵のサム・ホーソーンの出番です。彼が扱うーーーというか彼が出くわす事件は決まって不可能犯罪です。その類の依頼ばっかり引き受けているというわけではなく。その出くわしては解決してみせた事件を歳をとったサム先生が御神酒を注ぎながら匿名の聞き手に語って聞かせるという形で話が進みます。
当時のサム先生はノースモントという小さな町に診療所を開いたばかりの新米医師でした。看護婦エイプリルと一緒に診療所を切り盛りしていました。このエイプリル、なかなか機転が利くので「この2人、いつかくっつくのかな〜」と思っていましたが、エイプリルはサム先生ではない男と結婚するようです。残念。
不可能犯罪オンリー短編集はディクスン・カーも描いていますが、こちらの方が数も多く、トリックがより巧妙です。少なくとも「……んな馬鹿な……」とは1作たりとも思いませんでした。
しかしよくもまぁ、トリック考えられるよなぁ〜といつも感心してしまいます。人間の数だけ犯罪があり、犯罪の数だけ不可能あり!? とはいえ、犯罪工作だけではなく、心理的トリックも盛り込まれているのが本書の光るところだと思います。
そんなわけでしばらくわたしも語り手の隣で御神酒を頂戴しながらサム先生の事件簿を傾聴しようと思います。
「サム・ホーソーンの事件簿 1」でした(・∀・)/
次は「文豪ストレイドッグス制覇計画」9巻編、《組合》との闘いは終わり、横浜の街は救われた。しかしその終わりを許さない「魔人」が探偵社を、ポートマフィアを、敦をより巧妙にして無慈悲な闘いに巻き込んでいくーーー!(*^o^*)/~