4人の息子の中に快楽殺人犯がいる! メイドと「善人の顔をした快楽殺人犯」の攻防戦の行方はーーー!?
◇マーチ博士の四人の息子◇ -Les Quatre Fils du Doctor March-
ブリジット・オベール 堀茂樹・藤本優子 訳
医者のマーチ博士の広壮な館に住み込むメイドのジニーは、ある日大変な日記を発見した。書き手は館にいる生まれながらの殺人狂で、幼い頃から快楽のための殺人を繰り返してきたと告白していた。『悪童日記』のアゴタ・クリストフがその巧者ぶりに舌を巻いたフランスの新星の叙述トリックを駆使したデビュー作。
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奥様のコートをこっそり試着したことがすべての始まりだった。そのコートの中には日記が入っていたのだ。ーーー生まれながらの殺人衝動を抱え、幼い頃から幾度も殺人を繰り返した人物の日記! その日記の書き手はマーチ家の兄弟の1人の誰か……
マーチ家の家族構成は医者のマーチ博士とマーチ夫人。そしてその子どもたち。クラーク、ジャック、マーク、スターク。彼らは4つ子で外見はそっくり。
4つ子の中に快楽殺人犯が!? ジニーは怯えながらも日記を盗み見し、次なる凶行を防ごうとするが……
そのうち日記を盗み見していることがあちら側に露見する。2人はテープレコーダーや日記で攻防戦を開始。そしてついにジニー自身がマーチ家の4つ子の誰かの罠にかかりーーー
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「マーチ博士の4人の息子」です(・∀・)
外出先で「コマドリ〜」を読み終えてしまって読むものがなく、駆け込んだ本屋で帯に惹かれて買ったのが本書です←
「表紙からすでに仕組まれたトリック」。表紙から謎を投げかけられることはあまりないので気になった次第です。
この小説はジニーと快楽殺人犯の日記とテープレコーダーを通した独白で成り立っています。こちらと同じく「書簡体小説」もとい「ミステリー」です。さすが「書簡体小説」の発祥地フランス。読んでいるとじわじわと毒が回っていくような錯覚を覚えます。
次第にジニーの1歩、2歩先に行く快楽殺人犯によって追い詰められるジニーの姿に結末が気になり過ぎてページを捲る手が止まらない!! 読んでいるうちに「えー、「わらの女」みたいになっちゃうの!?」と半ば興醒めしてしまったんですが、エピローグを読んでその感想は吹っ飛びました。
とはいえ、やっぱりそう来るか〜……とも思いました。外見がそっくりな4つ子、死んだ兄弟……正体が大体想像ついてしまったというか……わたしは前半、中盤の方が面白かったと思います。でも表紙トリックには目から鱗。「誰が誰でもおんなじ」!?
「マーチ博士の4人の息子」でした(・∀・)/
次もハリントン・ヘクスト〜(*^o^*)/~