H・P・ラヴクラフト◇ラヴクラフト全集 1◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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大宇宙の深淵からの魔神の物語をクトゥルフ神話が怪しく紡ぐ!

 
 
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◇ラヴクラフト全集 1◇ -The Shadow Over Innsmouth-
H・P・ラヴクラフト 大西尹明 訳
 
 
幻想と怪奇の作家ラヴクラフト。その文庫判全集第1巻! 彼の生みだしたクトゥルー神話が怪しく息づく傑作「インスマウスの影」そして「闇に囁くもの」、デラポーア家の血筋にまつわる恐るべき秘密を描いた「壁のなかの鼠」、彼の知られざる一面を垣間見せるブラック・ユーモアの「死体安置所にて」の4編を収録した、怪奇小説ファン必読の書。
 
 
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1.インスマウスの影
  (The Shadow Over Innsmouth)
 
 
2.壁の中の鼠
  (The Rats in the Walls)
 
 
3.死体安置所にて
  (In the Vault)
 
 
4.闇に囁くもの
  (The Whisperer in Darkness)
 
 
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「文豪ストレイドッグス制覇計画」8巻に入りました〜(・∀・) 敦くんの案を採用して社長はポートマフィア首領、森鷗外と秘密の会合を開きますが、話し合いは決裂します(当然といえば当然とも言える)。太宰さんはQ奪還に動きますが、スタインベックと相方ラヴクラフトの待ち伏せされます。そこに颯爽と現れたのが太宰さんの元相棒、中原中也。2人は言い争いながらQを救出しましたが、ラヴクラフトとその異能【旧支配者】の攻撃を食らいます。
 
 
はい、お待たせしました〜。なぜかスタインベックそっちのけで←人気だったラヴクラフト、登場です! 画像の長髪の虚ろな男です。なにをするにも気だるげな男で任務には「フィッツジェラルド君との契約を果たさねば」という使命感(?)で働いています。
 
 
契約とはなんぞね? これについては後述しますね。異能は一応【旧支配者】。グレート・オールド・ワン。これを最大限に発揮するとこうなります。
 
 
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…………異能云々の前にまず人  間  じゃ  な  い。
というかそもそも異能なら太宰さんの【人間失格】が効くはずなのになぜかラヴクラフトには効きませんでした。やはり人  間  で  は  な  い。
そもそもラヴクラフトが何者なのか、相方のスタインベックですら知らないんですよね。
 
 
文豪ラヴクラフトはクトゥルフ神話の創始者で、怪奇ホラーは彼の名前を出さずには語れません。大きな足跡を残しました。
 
 
ラヴクラフトはもしやそのクトゥルフ神話の旧支配者そのものなのではないでしょうか!? だって調べるとクトゥルフそっくりだし!
それを妻を救いたいフィッツジェラルドが藁にも縋る思いで蘇らせて「本」を見つけ出すためにその「契約」を交わしたのではないでしょうか。もしくはフィッツジェラルドが《組合》を掌握する時に利用したのかも。
ラヴクラフトは初登場巻の5巻で「外出は4年ぶり」と言っています。普通人間なら4年も閉じこもったら発狂するでしょう。前述した出来事が起こったのが4年前だとしたら?
 
 
ラヴクラフトは9巻の終わりで海に潜ってどこかに去っていきます。海に潜るとか……まんま「インスマウスの影」に登場する謎の存在そのもの。
 
 
さて、本当のラヴクラフトとクトゥルフ神話の話をしましょうか。
クトゥルフ神話に触れたのは実は本書が初めてではなく、諸星大二郎の「栞と紙魚子」という漫画で知りました。クトゥルーちゃん。ヨグも出てくるし。あの漫画、わたしが知らなかっただけでクトゥルフ神話ネタがいっぱい出ているのかもしれません。ラヴクラフトを読んだ今、あの漫画を読むと「お、これ知ってる!?」となるかもしれません。
 
 
クトゥルフ神話はラヴクラフトらが作ったオリジナルにして架空神話です。1からオリジナルを作ったところからしてまずすごいんですが、ラヴクラフトとその友人クラーク・アシュトン・スミス、ロバート・ブロック、ロバート・E・ハワード、オーガスト・ダーレスらとの架空の神々や地名や書物等の固有の名称の貸し借りによって出来上がった神話です。
 
 
ラヴクラフトが自身のホラー小説に求めたのは「宇宙的恐怖(コズミック・ホラー)」です。つまり「無機質で広漠な宇宙においては人類の価値観や希望には何の価値もなく、ただ意志疎通も理解も拒まれる絶対的他者の恐怖に晒されているのだという不安と孤独感(wikipediaより引用)」。吸血鬼や人狼といったものは取り入れず、宇宙や多次元という概念を利用していました。
……SFは一歩違う方向に行くとこうなる?
4は特にこの傾向が強いです。宇宙とか多次元とか聞くと一気にSFしか思い浮かべなくなりますが、SFホラーを書こうと思うならこうなるのか?
 
 
しかし……これ、怖いですね。怖いというかなんというか見事ラヴクラフトの思惑に嵌ったというか。
あと1と4に見られた最初は恐怖と拒絶しかなかったのにいつの間にかそれに取り込まれてしまう。というのにも恐怖を感じます。1はインスマウスから脱出した後の方が怖いです。「衝撃のラスト」というやつです。
 
 
2と3はクトゥルフ神話は出ませんが、やはり怖い。2は家系的な呪い、3はブラック・ユーモアが見えます。
 
 
ラヴクラフト全集は7巻までありますが、とりあえず目当てだった「旧支配者」と「クトゥルフ神話」という言葉も出たのでとりあえず1巻だけにしておきます。だって怖いし。これこそ本から飛び出して来そうですし←
 
 
「ラヴクラフト全集 1」でした(・∀・)/
次回は頭脳と頭脳がぶつかり合います。名探偵の挑戦を受け取った乱歩と与謝野さんを待っていたのはあの男!
推理小説の方は読破間近なクロフツです(*^o^*)/~