F・W・クロフツ No.34◇フレンチ油田を掘り当てる◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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油田の発見は殺人事件の火蓋を切った! 犯人の逮捕の決め手は!?

 
 
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◇フレンチ油田を掘りあてる◇ -French Strikes Oil-
F・W・クロフツ 井上勇 訳
 
 
フレンチ警部は永年にわたる功績を認められて、今や警視に昇進したが、新しい難事件がまた彼を待ち受けていた。鉄道の踏切りで発見された大地主の長男の死体は、フレンチの出馬によって殺人事件に変貌した。油脈発見の秘密を握る一家の中に犯人がいるはずだが、どの容疑者にも動機とチャンスの結びつきが欠けている。さらに容疑者の一人が毒殺され、謎はさらに深まっていく……。
 
 
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チェドン・ハウスに住むサー・リーの三男ロドニーは偶然から自分が住むところの地下に石油があることに気がつく。莫大な利益を得ることができる。話し合った結果、家族の者は賛成、反対、どちらとも言えずに分かれ、1回目はそこでおしまいになった。
 
 
サー・リーの甥ジョージの妻ポーリンは最初は気が進まなかったが、やがてロドニーの計画に賛成する。次男のルパートとジョージは賛成なので厄介なのは石油を掘る計画に反対な長男モーリスだ。ただでさえ、モーリスとロドニーは仲が良くない。口外厳禁のこともあって、チェドン・ハウスは一触即発の雰囲気だった。
 
 
そんなある日、モーリスが列車に轢かれて死んだーーーと思われたが、フレンチ警部の調査の末、殺人事件であることが分かった。フレンチ警部はロドニーが犯人ではないかと疑うが……
 
 
その中、ジョージの家が火事になり、焼死体で見つかるが、彼は火事になる前に死んでおり、青酸カリが検出された。隠蔽工作を行なったロドニーとポーリンは正当防衛を主張するが、果たして?
 
 
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「フレンチ油田を掘りあてる」です(・∀・)
ーーー実はこれを読むとあと4冊でクロフツを読破するということに今更ながら気がつきました。それどころか今のペースで行くとクラークもチャンドラーもほぼ同じ頃に読破してしまうことにも気がついてしまいました。なんてこったぁ!
 
 
気を取り直して、本書。一見フレンチ警視がト一攫千金を狙ったのか!? と勘違いしてしまいそうですが、石油発掘から事件が起こる話です。賛成する者と反対する者、判断に躊躇する者。口外厳禁なので家の中で燻って、利益と安寧をもたらす石油が疑心と緊張を生んでいきます。この家族会議にまさか事件の謎を解く鍵があろうとは……!
 
 
面白いのは後半からだと思います。特に語り手のポーリンがジョージが事件に関わっていると疑い、自分の命を守るためとは言え、ジョージの命を奪ってしまうこと、そこからフレンチ警視が複数犯を疑うこととか大胆な変化球です。ジョージの挙動不審、さらにはポーリンとロドニーの隠蔽工作、さらに不審な手紙と謎の人物など殺人事件以外にも事件と謎だらけです。やっぱりクロフツは後半になってますます面白くなって来ます。あと4冊でお別れとか寂しいなぁ……
 
 
「フレンチ油田を掘りあてる」です(・∀・)/
次はクラークのはたまた合作です(*^o^*)/~