F・W・クロフツ No.31◇殺人者はへまをする◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




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こうして殺人者は裁きを受けた! フレンチ警部が見つけた殺人者たちの「へま」とは?

 
 
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◇殺人者はへまをする◇ -Murderers Make Mistakes-
F・W・クロフツ 井上勇 訳
 
 
殺人者がへまをするのか? それとも名探偵の推理がすぐれているのか? これはおなじみフレンチ警視を主人公にした二十三の短編集。第一部「二重の物語」では、前半において犯人の側からの完全犯罪を描き、後半でフレンチの推理と捜査を描く。一つの犯罪の表と裏を示して読者になまなましいスリルと現実感をあたえる倒叙推理小説の粋を収め、第二部「単独の物語」では、フレンチの口から、犯罪とその解決をきく十一編の物語。
 
 
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【二重の物語】(Double Stories)
 
 
1.古い銃
   (The Case of the Old Gun)
 
 
2.絶壁の道
   (The Case of the Cliff Path)
 
 
3.かかった電話
   (The Case of the Telephone Call)
 
 
4.下のアパート 
   (The Case of the Lower Flat)
 
 
5.軍用トラック
   (The Case of the Army Truck)
 
 
6.病弱な大佐
   (The Case of the Invalid Colonel)
 
 
7.隠された軽機関銃
   (The Case of the Hidden Sten Gun)
 
 
8.狩猟舞踏会 
   (The Case of the Hunt Ball)
 
 
9.貪欲な金貸し
   (The Case of the Avaricious Moneylender)
 
 
10.夜の訪問者
   (The Case of the Evening Visitor)
 
 
11.熱心な兎飼い
   (The Case of the Enthusiastic Rabbit-Breeder)
 
 
12.酒屋の隠居
   (The Case of the Retired Wine Merchant)
 
 
【単独の物語】(Single Stories)
 
 
1.国防市民軍の塹壕
   (The Case of the Home Guard Trench)
 
 
2.劇作家の原稿
   (The Case of the Playwright's Manuscript)
 
 
3.石灰岩採石場
   (The Case of the Limestone Quarry)
 
 
4.Lの形の部屋
   (The Case of the L-Shaped Room)
 
 
5.盗まれた手榴弾
   (The Case of the Stolen Hand Grenade)
 
 
6.交替信号手 
   (The Case of the Relief Signalman)
 
 
7.燃える納屋
   (The Case of the Burning Barn)
 
 
8.弁護士の休日
   (The Case of the Solicitors' Holiday)
 
 
9.旋回した帆桁 
   (The Case of the Swinging Boom)
 
 
10.炉辺の登山家 
   (The Case of the Fireside Mountainer)
 
 
11.待っていた自動車
   (The Case of the Waiting Car)
 
 
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「殺人者はへまをする」です(・∀・)
本書はあまり短篇を書かなかったというクロフツの数少ない短篇集です。しかもジャンルはオール倒叙ものという珍しい短篇集です。話のパターンは同じだし、犯人の名前出してもなぁ……と思って今回は概要を割愛させて頂きました。
 
 
第1部はまず犯人が殺害を企み、実行する様子が描かれ、次にフレンチ警部が登場して犯行の証拠つまり「へま」を見つけるという2部構成です。
つまり証拠=殺人者のへまなんですね。要するに。犯人像も様々で、とんでもなく利己的な人間から脅迫や脅しに抵抗して、の弱い人間だったりと様々です。「へま」はわたしでも分かってしまったものと、フレンチ警部、すげ〜と感嘆するほど見つけにくいものと様々です。
 
 
第2部はフレンチ警部を語り手に自分が解決した犯罪を調査から解決までを手短に話してくれます。なるほど、こういう小さいーーーと言っちゃおかしいですが、比較的短期間で解決した事件が長編の間々に入るんですね。
こちらは倒叙ものではないんですが、限られた人間しか出てこないので犯人はすぐに分かったりもします。ここでも「へま」を探すことが犯人逮捕の第一歩になります。
どちらそうでしたが、犯人、詰めが甘すぎ。計画杜撰過ぎる。長編の殺人者ってよく考えてますよ。まぁ、殺人者っていうのは殺し屋以外はアマチュアですからね。
 
 
こう見ると殺人ってわりに合いませんね。だってこの時代、殺人は一発で死刑ですよ、死刑。認められるのは正当防衛ぐらいだよ。
 
 
「殺人者はへまをする」でした(・∀・)/
次は久しぶりのクラーク、オンリーです(*^o^*)/~