F・W・クロフツ No.24◇黄金の灰◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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火事で焼けた画の灰には犯罪の残り香が。火事と画家失踪事件を繋げる手がかりは!?

 
 
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◇黄金の灰◇ -Golden Ashes-
F・W・クロフツ 井上勇 訳
 
 
シカゴの薄給取りのジェフリー・ブラーは、思いもかけぬ英国の宏壮な荘園を相続し、准男爵の称号を継ぐことになった。相続した屋敷には貴重な名作画廊があったが、その絵を鑑定し、”掃除”されていることを発見した画家は、パリで行方不明になり、屋敷は絵もろとも焼失してしまう。フレンチ警視の嗅覚は、一見なんの奇もない事件の背後に潜む完全犯罪の陰謀を暴いていく……!?
 
 
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未亡人ベチーは妹ジョアンの推薦で準男爵の地位を継ぐことになった米国帰りのサー・ジェフリーの屋敷の家政婦の職に就くことになった。屋敷のフォード・マナーは素晴らしいし、ずっと書いていた小説も書ける。とてもいい環境だったが、肝心のサー・ジェフリーがどうしても好きになれない。
 
 
そのジェフリーだが、英国には馴染めず、屋敷も売り、米国に帰ることにした。さて、相続した屋敷には先代の遺した画廊があり、そのコレクションはとても素晴らしいものだった。ジェフリーは画の鑑定と修復を頼んだが、ベチーの友人の夫チャールズはそれに"掃除"の後を見つける。
 
 
その直後、屋敷が火事になり、画もろとも焼失してしまう。主人のジェフリーはイタリアにいて無事だったが、仕事は完全になくなってしまった。さらにベチーはバークが行方不明になったことを知り……
 
 
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「黄金の灰」です(・∀・)
前回のマーロウとは真逆の安定安心の警察官フレンチ警部の事件簿です(笑)
クロフツも24冊目。傾向とかも掴めてやっとこさ慣れてきました。
 
 
今回は屋敷の火事と画家失踪事件の2つの事件が勃発します。前者の方は保険がかけられた画が焼けたということで保険会社も事件に関わります。保険金詐欺かも!? というやつです。フレンチ警部はこの保険金会社社員のショウと一緒に事件を調査しますが、この2つの事件は繋がっているのかそうでないのか、なかなかはっきりしないところが良い。
ミステリーなんだし、関係がたって当然なんですが、それがなかなかはっきりしないところが焦らされます。
 
 
フレンチ警部はまたも第2部から登場で、第1部はサー・ジェフリーの屋敷の家政婦になるベチーが主役です。単なる登場人物で終わるかと思いきや彼女も立派に容疑者の1人でした。しかも弟を守るためにとある事実をフレンチ警部に黙っていました。彼女も立派にフレンチ警部を迷わせます。
 
 
今回はぽっと出のキャラとなると思ったベチーの弟ロランドが終盤でまさかの容疑者になったりしたのでクロフツも作ったキャラクターを上手く活かせるようになったんだなーと思いました。
 
 
あと思いがけず遠縁の爵位を相続するジェフリーがまさかのマシュー← こちらは失敗してしまいますがね。相続税とか屋敷の維持とかまさにシーズン1とシーズン6ですよ。映画「美女と野獣」はめっちゃカッコよかったです。顔観れたの数分だけでしたが(苦笑) 野獣だからね! 瞳の青が本当に綺麗でした。森の中の湖みたいに。あ、フォード・マナー内の湖じゃなくてね。
 
 
事件はかなり巧妙だし、キャラクターも面白くなっているし、今作はなかなか良作だと思いました。
 
 
「黄金の灰」でした(・∀・)/
次はラーマシリーズの栄えある続編です(*^o^*)/~