アーサー・C・クラーク No.23◇2010年宇宙の旅◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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ディスカバリー号の回収を担ったレオーノフ号が出逢ったものとは?

 
 
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◇2010年宇宙の旅◇ -2010:Odyssey Two-
アーサー・C・クラーク 伊藤典夫 訳
 
 
2010年、宇宙船アレクセイ・レオーノフ号は地球を旅立とうとしていた。10年前に遙か木星系で宇宙飛行士4人が死亡、1人が失踪した事件を調査し、遺棄された宇宙船ディスカバリー号を回収することがその任務だった。はたして真相は究明されるのか? そして、木星軌道にいまも浮かぶ謎の物体モノリスの目的とは……前作を上回る壮大なスケールで全世界に興奮を巻き起こした傑作にあらたな序文・あとがきを付した新版
 
 
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かつて「木星計画」を承認したフロイド博士。その計画の結果、4人を死亡、1人を行方不明にしてしまい、ずっと罪の意識を感じていたが、その問題のディスカバリー号が異常軌道運動しているという報告が入る。
 
 
そしてロシアのレオーノフ号に木星付近されたディスカバリー号を回収するというミッションが入った。フロイド博士も問題のハルのシステムエンジニアと設計者と共にレオーノフ号に同行することになるが、中国の宇宙船と競争になる。ところが……
 
 
エウロパには何が? 木星に浮かぶ謎の物体モノリスはフロイド博士らレオーノフ号に何をもたらすのか? そしてフロイド博士は最後、信じられない邂逅を果たす!
 
 
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「2010年宇宙の旅」です(・∀・)
 
 
栄えある続編です。イェーイ! 
本編はこちらの10年後。数多の謎を残したディスカバリー号の回収が話の主軸です。今回は「木星計画」を承認したフロイド博士がほぼ全編を通して主人公です。
 
 
フロイド博士の10年前の罪の痛み、家族への想い、ディスカバリー号を目の前に、ボーマンと物体モノリスに対する探究心が深く描かれており、飽くことがありません。
 
 
また木星や宇宙の描写、乗員との関係、ハルとの会話、何から何までにおいて圧倒されます。最終盤間近のまさかの邂逅にお茶を噴きました← 嘘でしょ!? そこで出てくるなんて! もはや人間を超越しています。クラーク先生、もはや神様召喚しちゃいましたよ。
 
 
今回も謎が完全に解明されたとは言えず、2061年までお預けをくらいます。……だけどどういう結末を迎えるのか全く分からない。というか全く予想できない。
例えば「ファウンデーション」シリーズだったら、「色々あるけど、とにかくハリ・セルダン側の勝利で終わるでしょう!」とある程度の予想がつきますが、「宇宙の旅」シリーズも「宇宙のランデブー」シリーズもどう転がるのか全く予想できない。つまり逆に言えばどんな結末だってあり得る。
もしかしたらフロイド博士もボーマンと同じ道を辿るかもしれないし、モノリスの中が全世界に向かって開かれて、世界は終わりを告げるかもしれないし、木星のように思わぬ姿に変えるかもしれない。
 
 
クラークのSFには人間の未来や定義や常識を全部覆し、次元を超えた世界の深淵が見えます。
覗いたら戻れなくなると分かっていながらも覗きたくなる……わたしたちの知らない次元と世界を見たくなる……そんな誘惑があります。
 
 
手を伸ばしたらもしかしたら宇宙に届くかも知れないーーーやっぱり宇宙は魅力的です。恐怖はないけど全てに於いて巧妙です。
 
 
「2010年宇宙の旅」でした(・∀・)/
次もエラリー×ニッキー!(*^o^*)/~