エラリー・クイーン No.74◇孤独の島◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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謎の覆面たちによってマローンの平穏は打ち砕かれた! エラリー・クイーン、執筆40年の集大成!

 
 
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◇孤独の島◇ -Cop Out-
エラリー・クイーン 青田勝 訳
 
 
苦労を重ね孤独な道を歩んできた警官マローン─彼がやっとのことで築き上げた親子三人の幸福な生活が、ある夜、無気味な仮面をつけた三人の闖入者たちによって、無残にも打ち破られた。製紙会社の帳簿係を射殺し大金を奪って逃げてきた兇悪な強盗団だった。娘を人質にとり、無理難題を押しつける犯人たち。怒りに燃えたマローンが、絶対の危機に瀕した家庭を救うためにとった行動とは? 執筆活動四十周年を記念して、巨匠エラリイ・クイーンが、新たな可能性へ脱皮すべく、従来の探偵小説の型を破って未踏地を切り開いた画期的な作品!
 
 
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製紙会社の帳簿係のハウランドを買収した上で裏切り、殺害したフューリア、ヒンチ、ゴールディの3人組。
 
 
州境を抜けるまで見つからないだろうと思った遺体はすぐ見つかってしまった。24000ドルを抱えたまま、州境を抜けるのは不可能になり、ゴールディのツテがある、マローン家に預けることにした。ーーーマローン家の娘のバーバラを人質にして。
 
 
個人主義的な性格の警察官マローンは奮闘の末、バーバラを取り戻すが、今度は金が紛失してしまった。
3人の中には裏切り者がいる! しかしバーバラは再度人質にとられ、マローンは自身の力で真実を明らかにしなければならなくなる……
 
 
金は一体どこにあるのか? 誰が裏切り者なのか? 孤独の島に助かる術はあるのか?
 
 
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「孤独の島」です(・∀・)
 
 
本書はエラリー・クイーン執筆40年を記念して書かれた記念碑的作品です。
執筆40年というと、ダネイもリーも64歳。リーは亡くなる2年前。つまり高齢です。その間、執筆はもちろんのこと、雑誌を創刊したり、アンソロジーを編集したりしたわけで本書を機に歴史を振り返ることができます。本当にすごいですよね……エラリー・クイーンは推理小説界どころか文学界に名前を残しましたよ。
 
 
そんなわけで本書。執筆40年を記念した、画期的作品です。
「……」
映画みたいなシチュレーションです。
頭脳戦はないけれど、場面展開が多く、アクションや暴力が多く緊張に満ちています。ページをめくる手が震えます。最後、どんどん人が戻ってくるとことかまんま、映画です。
21世紀だと子どもが攫われたらもう死亡フラグだし、嫌な予感がするたびに「きっと大丈夫、きっと大丈夫」と言い聞かせながら読みました←
 
 
主人公は個人主義性格で団体行動をしないというハードボイルド的です。マーロウやサム・スペードを読んだことがないので分からないですが、両者と違って弱さで我を忘れがちなところがあります。バーバラことビビーが関わっているからかな。
でも最後、人は必ずしも独りではないと気がつくところは印象的でした。
 
 
エラリー・クイーンはなにをやっても偉業ですね。
エラリー・クイーン作品は実は終わりが見えて来ています。最終作「心地よく秘密めいた場所」まで一直線です!
 
 
「孤独の島」でした(・∀・)/
次はクロフツ、十八番の鉄道ミステリーです(*^o^*)/~