マーガレット・ミッチェル No.1.2◇風と共に去りぬ・第2巻◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

これからは国内外の多々ジャンルに飛び込みます。




TwitterもといX: 「https://twitter.com/KYoCaTHouWoR
エブリスタ: https://estar.jp/users/153193524

戦火は激しくなり、南部は敗走の色を見せ始める。スカーレットたちは命を賭けてアトランタを脱出するがーーー

 
 
{6B85651B-96AB-439C-B06C-966B84E59DFC}

 
◇風と共に去りぬ・第2巻◇ -Gone With the Wind Vol.Ⅱ-
マーガレット・ミッチェル 鴻巣友季子 訳
 
 
南北戦争が始まると、スカーレットの夫チャールズはあっけなく戦死した。遺児を連れてアトランタへと移ったものの、未亡人の型にはめられ、鬱屈した日々を送るスカーレットに、南北間の密輸で巨利を得ていたレット・バトラーが破天荒な魅力で接近する。戦火烈しくなる一方のアトランタを、レットの助けで漸く脱出したが、命からがら帰り着いた故郷〈タラ〉は無残に変わり果てていた――。
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆  
 
 
アトランタでの未亡人生活はうんざりしながらも慣れてきた。傷痍軍人の手当てには辟易し、レット・バトラーは相変わらず辛辣だが、スカーレットは完全に拒絶できない。
 
 
クリスマス前にアシュリが一時帰ってきた。アシュリは繊細なメラニーの面倒をスカーレットに託す。
 
 
一方、南軍の勢いに翳りが出来始め、アトランタにも北軍の影が忍び寄る。その中メラニーは妊娠し、スカーレットは〈タラ〉への望郷の念を募らせる。メラニーが出産するや否やスカーレットはアトランタを脱出し、〈タラ〉に帰り着くがーーー
 
 
☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆☆*:.°. .°.:*☆  
 
 
「風と共に去りぬ 第2巻」です(・∀・)
 
 
南北戦争時中のアトランタが主です。
兵士たちはたくさん傷つき、物品の何もかもが不足します。またスカーレットがよく知る人たちも兵士に召集され亡くなり、ひどいと子ども全滅という事態を目の当たりにします。あるがままを淡々と描くところに真実味があります。
 
 
また兵士たちと市民たちの間に戦争の勝算、終戦後の結果について壁ができ始めます。その壁と温度差は日本史の中でも既視感があります。
 
 
スカーレットは良くも悪くも相変わらずですが←、破天荒な無頼漢レットとの関わりが彼女に変化をもたらしています。
レットはスパンスパーンとスカーレットに攻撃し、スカーレットはぴしゃりと跳ね返したり、反撃しますが、本当に大っ嫌いなら金輪際面会拒否すればいいわけでスカーレット自身、遠慮なしに彼女の本質を突く、というか理解するレットに居心地の良さを感じているんだと思います。体裁を気にしなくてもいいわけだし。死んでも認めたくないだろうけどさ。今は……ね! やっぱりレットとスカーレットは似た者同士です。
 
 
スカーレットはメラニーに「なんで気づかない!?」と戸惑いますが、わたしはメラニーが全く気づいていないとは思えないんですよね……メラニーなら心は否定できないって良いそうだわ……それもそれで屈辱だけど。メラニーは自分そっちのけで他人を大事に思える人なのでいつかスカーレットにも受け取ってもらえたらなぁと思います。
 
 
そして終盤。あの〈タラ〉もう荒廃し過ぎてジェラルド・パパは半分死んでいるし、エレン・ママは天国に。本書はわたしがこの〈タラ〉を立て直す! と決意するところで終わりますが、これ、すごいことですよね。だってこれってスカーレットにとっても〈タラ〉が死守すべき、かけがえのない財産になったってことですよね!? ジェラルド・パパの教えはスカーレットに届いたのです。また祖先たちの存在を感じたところに感動しました。お父さん、良かったね(゚ーÅ)
 
 
強くも厳しく、優しかった両親はもういない。頼りになる人もいない。わたしがなんとかしなければ! 甘ったれお嬢さんと未亡人からの脱却の瞬間です。
 
 
〈タラ〉再興に向けて、いざ! 第3巻へ(*^o^*)/~