アーサー・C・クラーク No.13◇渇きの海◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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「渇きの海」つまり砂の海に囚われた宇宙船の内外での救出劇!
 
 
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◇渇きの海◇ -A Fall of Moondust-
アーサー・C・クラーク 深町真理子訳
 
 
観光地として脚光を浴びる21世紀の月世界。砂上遊覧船〈セレーネ〉号は地球からの観光客を乗せたまま、突如起こった地殻変動のため一瞬のうちに塵の海の中へ没した。だがあらゆる信号を絶った同号を短時間でどう発見し、どう救助すればよいのか? 精密な論理によって構築された世界に展開する人間ドラマ!
 
 
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月世界の海は砂よりも細かい塵でできていて、「渇きの海」と呼ばれている。この海は月世界の観光スポットでもあった。
 
 
今日も遊覧船「セレーネ号」が「渇きの海」上を遊覧している。何事も起こらないはずだった。ーーー地殻変動が起きなければ。
 
 
塵の海がセレーネ号を呑み込んでしまったのだ。塵に阻まれ自力で脱出は不可。船長のハリスはガイドのスーと伝説的人物ハンスティーン提督とこの危機を脱しようとする。
一方、月世界も程なくセレーネ号の遭難に気がつくが、彼らは海が船を呑み込むとは夢にも思わない。そこにある人物が話に入ってきて……
 
 
セレーネ号内外での救出劇が始まった!
 
 
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「渇きの海」です(・∀・)
クラークもお久しぶりです(笑)
 
 
本書は近未来、神秘的領域が舞台タイプの話です。ただ開拓ではなく、その領域で起こる危機からの脱出の話です。
 
 
リアリティーに富んでいます。
月世界でなくてもありえる話です。推理小説ならクローズドサークルや、殺人事件や! となりますが、さすがSF。神秘的領域での未知の危険からの脱出劇になっています。本書は場所だけが特殊で、異星人も想像不可能なハイテク機械も登場しないので現実世界に置き換えて読むことができます。
 
 
「一難去ったらまた一難」をいく危機的状況や月世界の役人たちにはリアリティーがありますが、乗客に専門家がいささか多い気が。みんな理性的で冷静沈着だし、ハリス、乗客に恵まれて良かったね(゚ーÅ) なので逆に不満を醸し出したミス・モーリイに1番現実味を感じました。最後の語らいシーンが好きです。
 
 
乗客といえば。実は異星人でしたみたいな人がいないのもこの話、良かったなーと思った点でした。人間ドラマなんだから人間を描いて欲しいわけで異星人とか出されてもなぁ……と読みながら思っていたのでその点、安堵しました。
 
 
「渇きの海」でした(・∀・)/
次は久しぶりのジュナです(*^o^*)/~