ジョー・ネスボ No.3.5◇スノーマン・下◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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9年間の海外古典ミステリ読破に終止符を打ちました。

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ハリーたちの捜査・追跡を嘲笑うように犯行を重ねる〈スノーマン〉。謎の手紙の正体と執念。ハリーの思わぬところから魔の手が伸びる!

 
 
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◇スノーマン・下◇ -The Snowman-
ジョー・ネスボ 戸田裕之 訳
 
 
〈雪だるま〉事件は連続殺人の様相を! 真犯人は捜査班をあざ笑うかのように先回りし、やがて魔手はハリーの身辺にも迫る…。アルコール依存症と闘いながら捜査に挑む主人公、癖のある同僚たち。警察小説の傑作。
 
 
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イーダルの死は他殺だった。〈スノーマン〉事件は振り出しに戻るが、捜査は難航する。
 
 
ハリーは捜査の中でカトリーネの不可解な行動が気にかかる。果たしてカトリーネは常軌を逸脱した単独行動を取り、そこから彼女の秘密を知る。
 
 
被害者の女性たちの秘密、関係者たちの秘密。その秘密と共通点が明らかになる時、ハリーの背後から魔の手が忍び寄るーーー
 
 
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「スノーマン」下巻です(・∀・)
 
 
なんてまぁ、抉るような真相なんだろう!
犯人の正体もさることながら、動機や過去も「うげぇ……」と嫌悪感が隠せないです。そりゃ、もちろんノルウェー人全員がこうだとは思いませんが、北欧ミステリーは現実と社会の暗部を浮き彫りにするのが特徴だし……
 
 
幸福度上位の北欧諸国の影と闇と泥の部分を一気に見た気分です←
 
 
読んでいて「この犯人像、なんか知っているような……」とかなりの既視感を覚えましたが、あれだ。
確か『湿地』も本書と同じ立場の女性が出てきて、同じ立場の犯人が出てきたような。ただ『湿地』の方では女性の立場の理由が「自ら立った」ではなく、「無理やり立たされた」からであって、こちらの方がより心臓に槍を突き刺してその肉をえぐり出しているような悪寒が強いです。死した後も傷つけようとする執念と言いますか。
 
 
かといって人間1人1人が弱いということは絶対になく、特に遺族の1人、フィリープ・ベッケルは最後、人間だけが持てる強さを見せます。人間は流されやすく、流れに任せて生きがちですが、その流れを感じつつも自己を見失わない生き方も確かにできるのです。
 
 
そして。カトリーネのまさかの正体。一瞬、「カトリーネが〈雪だるま〉!?」って思っちゃいましたよ。それかコピーキャット← でも下巻は途中からほとんど出なくなってしまうし……ああ、残念……でもハリーがベルゲンに行ったら再会のチャンスがあるかもしれません。
 
 
そしてハリー。アウトローで一匹狼。弱さを感じさせるハリーは皮肉にもそこに血の通った人間さを感じさせます。生き様に共感できるかと言われたらそれはまた別ですが! 
 
 
あと、これが1番未来の話ならラケルとの関係はもう終わりなんでしょうか……「ネメシス」ではお付き合い現在進行中ですし。ちなみに「ネメシス」は第4巻です。完全に読む順番間違えた……翻訳だとこういうところあるからなぁ……せめてシリーズ一覧表があれば…… って嘆いても仕方ないのですが! 
「スノーマン」だけでは分からなかったハリーとノルウェー警察関係者の伏線は「コマドリの賭け」、「ネメシス」、「悪魔の星」を読んで回収しようと思います。無様なところをみせて本当に申し訳ありませんでした。2月24日訂正。
 
 
そんなわけでジョー・ネスボ特集は次回の「ネメシス」で最終回を迎え……ないかもしれません←え