レイモンド・T・ボンド編 No.1◇毒薬ミステリ傑作選◇ | 星よりも大きく、星よりも多くの本を収納する本棚

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あらゆる毒薬、毒殺、あらゆる毒殺犯、集まれ! 毒殺ミステリの傑作コレクション、お見せします!

 
 
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◇毒薬ミステリ傑作選◇ -Handbook for Poison-
レイモンド・T・ボンド編 宇野利泰 訳  
 
 
編者による「毒と毒薬について」を巻頭に配し、セイヤーズ「疑惑」やウィン「キプロスの蜂」等の名作がズラリと並んでいる。他に、フリップ・トレントの活躍する「利口なおうむ」、長編『毒入りチョコレート事件』の母胎となった「偶然の審判」、ソーンダイク博士得意の法医的知識に彩られた「バーナビイ事件」、ホーソーンの名作怪奇譚「ラパチーニの娘」等全十二編を収録。   
 
 
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序.毒と毒殺について(レイモンド・ボンド)
  (Introduction: About Poisons and Poisonings)
  ……毒殺の歴史から毒殺犯、毒の種類のあれこれ。
 
 
1.疑惑(ドロシー・L・セイヤーズ 
  (Suspicion)
 
 
2.キプロスの蜂(アントニー・ウィン)
  (The Cyprian Bees)
  ……1人の女がキプロス蜂に刺されて死んだ。アナフィラキシーと思われたが……
 
 
3.利口なおうむ(E・C・ベントリー 
  (The Clever Cockatoo)
  ……知人のランシー夫人から妹イザベルを襲う不可解な発作の原因を突き止めて欲しいと請われたトレント。トレントは早速ランシー夫人とイザベルと出かけるがーーー
 
 
4.偶然の審判(アントニイ・バークリー 
  (The Avenging Chance)
  ……「黄金の十二」参照。
 
 
5.夾竹桃(ミリアム・アレン・デフォード) 
  (The Oleander)
  ……化学実験で失明したわたしは庭の夾竹桃を心の支えにしてきた。ところが弟のギルバートがそれを切ろうとして彼はーーー
 
 
6.ラインゲルダーとドイツの旗(ラドヤード・キップリング) 
  (Reingelder and the German Flag)
  ……未知のものを無知識で接してしまった男の哀れな末路。
 
 
7.リキュール・グラス(フィリス・ボットム)
  (The Liqueur Glass)
  ……暴君気味の夫を憎んだウォトキンズ夫人はどう殺そうかと思案しながら生きてきた。そしてそれをついに実行する時がやってきた!
 
 
8.大都会の一挿話(アーヴィン・S・コブ) 
  (An Occurrence up a Side Street)
  ……殺人を犯し、逃亡中の男女。やがて男女は互いに殺しを意識するようになりーーー
 
 
9.事故(アガサ・クリスティー 
  (Accident)
 
 
10.バーナビイ事件(R・オースチン・フリーマン 
  (Rex v. Burnaby)
  ……わたしはバーナビイ氏の往診に来、彼が服用している目薬でアレルギー反応を起こしているのに気づいた。目薬を服用しないことで事は解決したはずだったが……
 
 
11.ラパチーニの娘(ナザニエル・ホーソーン)
  (Rappaccinni's Daughter)
   ……ジョヴァンニは下宿先付近にある庭園にいたある娘に恋をした。ベアトリーチェはジョヴァンニの恩師の天敵ラパチーニの娘だが、彼女には恐ろしい秘密が……
 
 
12.手早いやつ(G・K・チェスタトン 
  (The Quick One) 
 
 
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「毒薬ミステリ傑作選」です(・∀・)
 
 
「広津さん、どーした」感満載ですが、ものすごい分厚かった上に先日出かけた癖に家に忘れるという失態を犯し、半ば活字ロスに陥り、打開策として借りたのが本書です。 
そしてこちらが先に読み終わってしまいました。←まさかの事態。なのでこれを先に挙げました。
広津さん、ほんとにごめんね! でも600ページ以上あるあの分厚いの簡単に読み切れないよ!←
*訂正  800ページ以上でした(2016/09/07)
 
 
そんなこんなで前置きを終了し、本書に入ります。
 
 
本書は殺人方法の1つである「毒殺」と毒殺犯を集めたアンソロジーです。
 
 
「毒殺」……歴史も古いこの方法って1番完全犯罪成し遂げられる犯罪だと思うんですよね。刺殺、撲殺と違って「これ、病死じゃない?」に仕立てることもできる。
その上、力いらないので非力な女性でも剛力な男性を殺すのも可能です。やっちゃダメだけど。
あと毒と言っても薬、植物、食べ物、動物、昆虫と多々にわたるので特定するのは難しく、よほど詳しくないと毒物の予想すらできない。
唯一の困難は入手が難しいことと計画性がはっきりしてしまうことぐらいですかね? 
 
 
そんなわけで、絶対にやっちゃいけませんが、毒は犯罪者と犯罪小説にとって大いに魅力的なのです。
 
 
そんな魅力的な毒殺事件を集めた本書。
すごい。毒って本当に色々なところにあるんだな。
飲み物、昆虫、化粧品、植物……凶器は我が隣に有り。を地で行っています。怖いぐらいです。2と10は今でも普通にあり得る話ですよね。6とか無知って恐ろしいと思ったよ……知らないものに手を出しちゃいけません。
 
 
11は「緋文字」のホーソーンです。こういうのも書いていたんだ。怪奇小説の匂いがするよ……ちなみに本家「緋文字」は「文豪ストレイドッグス制覇計画」でちゃっかり登場します← 何人目になるんだろ……
 
 
最後。本書を編集したボンドは編集者で、もう1冊「暗号ミステリ傑作選」も編集しました。本書、結構面白かったし、これも読もうと思います……が! その前に広津さんだ!←
 
 
「毒薬ミステリ傑作選」でした(・∀・)
次こそ広津さんだと良いんですが!(*^o^*)/~←